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薄膜トランジスタを部分的なレーザ処理で高速化する技術を開発

February, 28, 2019, 山形--JSTは、産学共同実用化開発事業(NexTEP)の開発課題「大型フラットパネルディスプレイ向けレーザアニール技術」の開発結果を成功と認定した。
 この開発課題は、山形大学 大学院理工学研究科 城戸淳二教授の研究成果を基に、平成27年3月から平成30年3月にかけて株式会社ブイ・テクノロジーに委託し、同社にて実用化開発を進めていたものである。
 4K8K放送では画素数が増加し、画素あたりの表示時間が短くなるため、一般的な大型液晶テレビで採用されているアモルファスシリコン(a-Si)膜を用いた薄膜トランジスタ(TFT)素子からなるフラットパネルディスプレイ(FPD)では対応できない。a-Si膜よりも高性能な低温ポリシリコン膜のTFTを使えば、高精細化への対応が可能であるが、製造コストが高く、大型テレビへは適用ができなかった。
 新開発では、a-Si膜のTFT素子のチャネル領域のみをレーザアニール処理して、局所的に再結晶化することでTFT素子を高速化する技術を基に、レーザアニール処理されたTFTの性能をリアルタイムに測定する装置の開発など、量産する際の課題を解決して試作機に実装し、大型ガラス基板に対してその効果を実証した。
 この装置は、既存のa-Si膜のTFT素子パネルを使用する大型FPD製造ラインに追加するだけでTFT素子が高性能化し、高精細化や狭額縁化、製造コスト低減にも寄与できることから、今後の大型テレビ向けFPD量産に欠かせない製造技術となることが期待される。
(詳細は、http://www.jst.go.jp/)