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ストロンチウム光格子時計の実効的魔法条件の決定

January, 22, 2019, 和光--理化学研究所(理研)開拓研究本部香取量子計測研究室の牛島一朗特別研究員(研究当時、現客員研究員、東京大学大学院工学系研究科助教)、髙本将男専任研究員、香取秀俊主任研究員(東京大学大学院工学系研究科教授)の研究チームは、ストロンチウム(Sr)原子を用いた「光格子時計」の高精度化に向けて、光格子レーザによる共鳴周波数のずれ(光シフト)を高次の効果まで含めて精密に評価した結果、光シフトの影響を最小とする光格子の「実効的魔法条件」を導き出した。
 研究成果は、現在の「秒」の定義であるセシウム原子時計の精度を3桁上回る「19桁精度」の光格子時計の実現に向けた重要なステップであり、秒の再定義への議論を活発化する成果。また、19桁精度の時計は、ミリメートル精度の相対論的測地などを可能にし、時間/周波数の標準技術の枠を超えた、広範な応用の可能性を広げる。
 研究チームは、光格子中のSr原子の振動量子状態および光格子レーザの強度と周波数を精緻に制御し、光格子の光シフトを評価した。その結果、これまで実験的に観測されなかった電気四重極子/磁気双極子および超分極による高次分極効果の高精度測定に成功した。このデータを基に、光格子の光シフトを19桁精度に低減する実効的魔法条件となる光格子レーザの強度、周波数を決定した。 研究成果は、『Physical Review Letters』の掲載に先立ち、オンライン版掲載された。
(詳細は、http://www.riken.jp)