December, 12, 2018, Erlangen--FOWINAプロジェクトで、フランウンホーファー集積回路研究所(IIS)とフランウンホーファーシリケート研究所(ISC)は、特殊マイクロレンズ配置の新しいカラーセンサを開発した。
同センサは、直接チップ上に実現し、微小スペースに多機能を統合することが可能である。極度にスリムな設計により、同センサは,モバイル機器や色調整可能LEDランプなど、幅広いアプリケーションに適している。
カラーセンサは、ディスプレイ、LEDs、他の技術デバイスに使用し、本来の色を生成する。製造には、特殊なナノプラズモニック構造の利用が関わる。この構造は入力光をフィルタリングし、色スペクトルの精密定義の領域のみをディテクタ表面に届ける。入力角度の制御性が、カラーフィルタの正確な機能を決める。標準的なセンサは、フィルタの精度を改善し、正確でない色を回避するためにマクロ素子を含んでいる。これは、望ましくない角度でマスキングアウトするが、これらの追加素子はコンポーネント構築サイズを大幅に増やす。
この欠点を克服するために、FOWINAプロジェクトで活動するIISとISCは、多機能を最小スペースに統合するオールインワンソリューションを開発している。カラーフィルタ構造、入力光を調整する角度フィルタ、信号処理用回路の評価、光エネルギーを電気エネルギーに変換するフォトダイオードは、全てカラーセンサチップに集積されている。この極めてコンパクトな設計により斬新で超スリムなカラーセンサが実現可能になる。狙いは、カメラ、スマートフォン、他の多くの製品への組込である。
最大機能を小さな表面に詰め込める高い集積度とともに、その新しいセンサは、先行製品よりも製造が容易で、安価である。フランウンホーファーIISがナノプラズモニックカラーフィルタを含むセンサICを担当。カラーフィルタは、全く同一のCMOSプロセスを使って、フォトダイオードや評価回路とともにコスト効果良く製造可能。つまり単一技術である。
フランウンホーファーISCは、センサで角度フィルタ素子として機能するマイクロ構造アレイ製造を担当。「われわれは先端技術、2光子重合を使う。これは、ほとんどどんなタイプのマイクロ構造、つまり構造化表面でも造れる」とDr. Sönke Steenhusenは説明している。製造プロセスの高速化のために、ISCはナノインプリント技術を使用してマイクロ構造を再現する。これは高精度で実績のあるリソグラフィ技術。この方法により、同じ基板上に様々な構造の統合も可能である。
FOWINAプロジェクト中に、フランウンホーファーISCは、最高のカラーフィルタ性能を達成した。これは、マイクロ光学構造を用いて入力光角度を±10°の範囲に制限することによる。これにより、例えばLEDsの色はアクティブに調整できる。もう1つのプラス点は、マイクロレンズの非常に高い表面精度。これは、カラーフィルタに狙ったように光を集光する。アレイ製造のためにフランウンホーファーISCが使用した材料は、特殊な無機-有機ハイブリッドポリマ。これは、高い化学的、熱的、機械的安定性を示し、その分子構造を変更することで特殊アプリケーションの要件に簡単に適用できる。
研究グループは現在、カラーセンサの設計と製造工程の最適化に取り組んでいる。産業アプリケーションに向けて拡張し、その後、センサの量産を狙っている。