November, 30, 2018, Washington--近年、物理学者やエンジニアが、今日カメラやイメージングシステムで使用されている厚いガラスレンズに取って代わる様々なタイプの超薄型材料を設計、作製、試験している。重要なことは、これらのカスタムレンズ、つまりメタレンズは、ガラス製ではないことである。それらは、ナノスケールで円柱アレイやフィンライク構造で構築された材料でできている。これらの構造は、入力光と相互作用し、それをイメージング目的で単一焦点に向ける。
しかしメタレンズはガラスレンズよりも遙かに薄いが、それらはまだ「高アスペクト比」に依存しており、その中のコラムやフィンライク構造は、その幅よりも著しく高いので、崩れたり、倒れかかる傾向がある。さらに、これまでのところ、これらの構造は常に厚さでは、相互作用する光波長に近い。
Nano Lettersに発表された論文では、ワシントン大学と台湾国立精華大学(NTHU)のチームは、集光する光波長の1/10~1/2の厚さの機能メタレンズを作製したと報告している。そのメタレンズは、層状2D材料から造られており、厚さ190nmである。
その設計原理は、より複雑で可変特性のメタレンズ作製にも使用できるとUW物理学・電気・コンピュータ工学准教授、Arka Majumdarは説明している。
研究チームは、何年も前からメタレンズ設計原理を研究しており、以前にはフルカラーイメージング用のメタレンズを作製した。しかしこのプロジェクトの課題は、メタレンズ固有の設計制約の克服であった。メタレンズ材料が光と相互作用し、適切なイメージング品質を達成するには、材料は、その材料の中で光波長とほぼ同じ厚さでなければならなかった。数学的に言うと、この条件が2π位相シフト範囲にフルゼロ達成を保証する、すなわちこれは、いかなる光学素子も設計可能であることを保証する。例えば、500nm光波長のメタレンズは、可視スペクトルは緑であるが、厚さが約500nmが必要である、ただしこの厚さは、材料の屈折率が増加するにしたがい減少可能である。
研究チームは、この理論限界よりも遙かに薄い機能メタレンズを合成することができた、波長の1/10~1/2である。まず、研究チームは、層状2D材料シートからメタレンズを作製した。六方晶窒化ホウ素や二硫化モリブデンなど広く研究された2D材料を使用した。これらの材料単一原子層は、位相シフトが非常に小さく、効率的レンズに不適切である。従ってチームは、多層を使って、厚さを増やした。ただし、厚さはフル2π位相シフトに達するには小さすぎるままであった。
不足を補うためにチームは、当初LCDのために定式化された数学モデルを用いた。これらにより、メタレンズ構造要素と関連して、たとえ位相シフト全体がカバーされなくても、研究者は高効率を達成できた。それを利用して様々なテスト画像を撮ることで研究チームはメタレンズの有効性をテストした。メタレンズがレンズの焦点長の伸縮をどのように調整するかも実証した。
記録的な薄さでメタレンズ設計への完全に新しいアプローチ達成に加えて研究チームは、この実験が、完全2D材料からイメージングやオプティクスの新たなデバイス作製に有望であることも示している。