November, 14, 2018, Adelaide--アデレード大学の研究チームは、強力なトラクタビーム、原子を捕まるための光駆動エネルギートラップを開発した。
このトラクタビームは、原子を微小な穴、特殊光ファイバの中心に引き込む。それによって新しい量子実験への道が開け、安全な通信、最先端のセンシング技術につながる可能性がある。
研究成果は、Physical Review Appliedに発表された。同大学フォトニクス・先端センシング研究所(IPAS)の研究者によると、研究チームが高効率「導波路トラップ」を実証できたのは、これが初めてある。
その技術を開発したPhD学生、Ashby Hiltonは、「映画の中ではトラクタビームは緑か青だが、この場合はトラップは不可視の赤外光でできている。ビームは、ほぼ完全にガスが抜けたチャンバの中に漂っている原子をつかむ。
トラクタビームに入る全ての原子は、ファイバに引き込まれる。逃れることはできない。光ファイバに一旦吸い込まれると、原子は長期に維持される。原子をコントロールする適切な条件を作るために、われわれは非常に精密に光を制御できることを実験で示した」。
トラクタビームは、赤外光と原子が相互作用することで機能し、エネルギーに変化が生じて、それによって原子は光ビームの最高強度部分に引き込まれる。
研究リーダー、Dr Philip Lightは、「実に素晴らしいことは、われわれがこれらトラップされた原子で量子実験ができることだ。われわれの初めての実験は、これら蓄積した原子を量子メモリ要素として使用するものである。われわれの研究が、最終的に絶対安全通信チャネル構築の一部になればよいと考えている。防衛、インテリジェンス、産業のこれへの関心が高いことは言うまでもない」とコメントしている。
研究チームは現在、次の段階へ移行しつつある。ここでは、トラクタビームは、光の固体ビームではなく、光のホローコーンの中央に保持される。
「これは極めて説得力のある考えだ。われわれは原子を動かし、操作できるが、強い光の破壊的影響から原子を保護できる」とDr Lightは言う。研究チームは、基本的に量子ファネル(採光孔)を造った。これにより、繊細な量子状態を乱すことなく、原子をガイドし、長くトラップすることができる。
「われわれ研究者は、われわれの周りの世界を理解するために、個々の原子や分子を操作し計測する。量子センシングのこの新たな時代が、様々な新規の可能性を開く。呼気に特別な分子を発見することで病気を検出することから、鉱床あるいは秘密の海底活動に関わる異常磁場を検出することで鉱山労働者や防衛を支援することまで様々である」とIPASディレクタ、Andre Luiten教授はコメントしている。
(詳細は、https://www.adelaide.edu.au/)