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小型半導体光源「テラヘルツ差周波量子カスケードレーザ」開発

November, 13, 2018, 浜松--浜松ホトニクスは、中赤外領域の量子カスケードレーザ(QCL : Quantum Cascade Laser)の開発で長年培ってきた量子構造設計技術による独自の結合二重上位準位構造(AnticrossDAU)を採用し、一つの半導体チップから室温でテラヘルツ波を発生する小型半導体光源「テラヘルツ差周波量子カスケードレーザ」の開発に世界で初めて成功した。学術研究用イメージングや、薬剤をはじめとした有機物の分光分析への応用が期待される。

主な特長>
1. 独自の発光層構造により世界で初めて室温動作を実現
極めて広い波長帯域を持つ、従来構造とは本質的に発光原理の異なる当社独自の結合二重上位準位構造を採用するとともに結晶内部に回折格子を作成することで、一つの半導体チップから発生する波長の異なる二つの中赤外光を発振させ、同一チップ内部で波長を変換する非線形光学効果によりテラヘルツ波に波長変換する。波長変換プロセスでは、結合二重上位準位構造により複数の量子準位が共鳴することで、きわめて高い変換効率を実現した。また、導波路構造を工夫し、半導体チップ内部へのテラヘルツ波吸収を低減している。さらに、中赤外領域の QCL から波長変換する手法を利用するため冷却が不要で、世界で初めて室温動作が可能になった。
2. 世界最小のテラヘルツ波 QCL
室温動作であるため、市販テラヘルツ波QCL のように液体窒素温度(-196℃)以下に冷却するための冷凍機が不要なことから、市販製品に比べ体積を 2000 分の 1、重量を 500分の 1 と、世界最小サイズのテラヘルツ波 QCL を実現した。

(詳細は、https://www.hamamatsu.com)