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写真からの指静脈パターン復元を防止する手法を提案

November, 8, 2018, 東京--国立情報学研究所(NII)の情報社会相関研究系教授 越前 功の研究チームは、生体情報である指静脈パターンが写真から復元されるのを防止する手法を開発した。
 今回提案したのは指に透明シールを装着する手法。装着したまま指静脈認証が可能という利便性を確保しつつ、写真からの指静脈パターンの復元を防止できるため、意図しない生体情報の復元を防ぐことが可能になる。
 研究チームは、市販デジタルカメラの画像からの静脈の検出を妨害する人工的な偽の指静脈パターンである「ジャミングパターン」を印刷した透明シールを開発した。
 近年の市販デジタルカメラは高画素化しているため、写真をもとに復元した指静脈パターンにより、指静脈認証システムが破られる可能性がでてきていた。そのため、写真からの指静脈パターンの復元防止が求められていた。
 この透明シールは実用性を考慮した次の3要件を満たしている。
1.撮影された写真からの指静脈パターンの復元を防止
2.装着した状態で、ATMなどの認証装置では引き続き指静脈認証が可能
3.ユーザーの意思により簡単に着脱可能で、認証システム等の改修の必要がない
 このシールは、可視光と近赤外線の両方が透過する透明なベース素材の上に、人工的な偽の指静脈パターンである「ジャミングパターン」をプリントしている。このシール上のジャミングパターン部分では、可視光を反射する一方、近赤外線を透過する。指に装着して可視領域で撮影すると、ジャミングパターンによりユーザー本人の指静脈の一部が見えなくなりジャミングパターンが重なって撮影される。そのため、市販デジタルカメラで撮影した写真からは装着者の指静脈パターンを復元できない。逆に近赤外領域を利用する読み取り装置ではジャミングパターンが見えないことから、装着者の指静脈パターンそのものが復元できる。

(詳細は、https://www.nii.ac.jp)