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太陽電池の効率は微妙なバランスによって決まる

April, 15, 2014, Raleigh--ノースカロライナ州立大学の研究チームは、太陽電池の効率が、内部層、ドメインのサイズと純度の微妙なバランスに基づいていることを明らかにした。この研究成果は、有機太陽電池の設計とパフォーマンス改善につながる可能性がある。
 ポリマベースの太陽電池は、2つのドメイン、電子のアクセプタと電子のドナー材料で構成されている。太陽電池の効率は、いくつかの要素に基づいている。光のエネルギーを最大限保ちながら、励起子がドナーとアクセプタの接合面に移動できる容易さ、電荷が励起子から分離すると、分離した電荷がいかに効率よくデバイスの電極に移動して収集されるか。
 実際のところは、これらのドメインは分離されておらず、純度も高くないのでドメインは2つではなくもっとたくさんある。現在の処理法は複雑な、マルチドメイン構造を作り、これが太陽電池の効率に関わる全ての要素に影響をあたえる。
 ノースカロライナ州立大学物理学者、Harald Ade氏の研究チームは、太陽電池の複雑な構造が、そのパフォーマンスにどのように影響をあたえるかを正確に突き止めようとした。最先端の軟X線技術を使って、ドメインが普通ではなく、時には対立する仕方で混ざり合っていることを見いだした。
 どのように混ざり合っているか、そのどこが問題なのかについてAde氏はケーキの生地(バター)を引き合いに出して説明している。
 「太陽電池の2つのドメイン材料をケーキ生地、1つはバニラ、もう1つはチョコレートと考える。最初、接触面、つまり2つのレイヤーが触れるところは、ケーキの焼き型の大きさだ。フォークを生地から引き出して混ぜると、バニラとチョコレートが触れる面が増え、接触面が広がる。太陽電池では、接触面が広くなると電荷分離が増えてパフォーマンスが向上する。しかし、混ぜ続けると、生地は均一になり、純度が下がる。これは太陽電池のパフォーマンス低下になる。混ぜすぎて電荷の再結合が起こり、失われてしまうからだ。
 実際のデバイスでは、その構造は異なるサイズのフォークで、大小様々な動きをしながらかき混ぜることと同じだ。これは2つの長さのスケールを作る、つまり生地の均一性の程度が違ったものになり、サイズ、純度、パフォーマンスの間で複雑なトレードオフになる。われわれの仕事は、このようなトレードオフを理解し、それを利用する太陽電池設計法を見つけ出すことだ」。
 論文は、Advanced Materialsに発表されている。(論文タイトル“Quantification of Nano- and Mesoscale Phase Separation and Relation to Donor and Acceptor Quantum Efficiency”)