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自動運転車の視界改善に役立つバイオインスパイア・カメラ

October, 30, 2018, Maple Ridge--自然界で最も複雑な、シャコ類の視覚系からヒントを得て、研究チームは新しいタイプのカメラを開発した。これは、難しいイメージング条件で危険物を見つける自動車の能力を大幅に改善することができる。
 新しいカメラは、偏光として知られる光の特性を検出することで、また今日の商用カメラよりも約10000倍ダイナミックレンジによってこの成果を達成する。ダイナミックレンジは、カメラが同時にキャプチャできる最も明るい領域と最も暗い領域の計測である。これらにより、新しいカメラは、暗いトネルから明るい陽光に移行する、あるいは霞んだ状態や霧が立ちこめる状態などの運転状況で視認性を改善できる。
 Opticaに発表された研究成果で、研究チームは、量産で1個あたり10ドルとなる新しいカメラについて説明している。研究チームによると、新しいカメラでは、自動車は危険、他の車、歩行者を、現在使用されているカラーカメラよりも3倍離れて検出できる。
 「自動運転車に関わる最近の衝突では、その自動車はセミトラックを検出できなかった。その色と光強度が背景の空の色と混ざっていたためである」とイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、研究チームリーダー、Viktor Gruevは説明している。「われわれのカメラは、この問題を解決できる。高ダイナミックレンジにより、背景に似た物体を簡単に検出することができ、トラックの偏光は、空の偏光とは違っているからである」。
 自動車アプリケーションだけでなく、研究チームは、そのカメラをガン細胞検出に使うことも研究している。ガン細胞は、正常組織とは違う偏光を示すからである。また、海洋探査改善にも使用することを考えている。
 「われわれは従来のイメージングセンサが達成した限界に達しつつある。われわれのバイオインスパイやカメラは、自然には多くの興味深いソリューションがあることを示している。これらは、次世代センサの設計でわれわれが活用できるものである」と論文の筆頭著者、Missael Garciaは話している。

シャコの視覚を真似る
 シャコは、世界中で数百種を含むグループであり、光強度に対数的応答をする。これによりシャコは、幅広い範囲の光強度に敏感になり、1つの場面で非常に暗く、非常に明るい要素を感じることができる。
 新しいカメラで同様の高ダイナミックレンジを達成するために研究チームは、カメラのフォトダイオードが光を電流に変える方法を微調整した。フォトダイオードを、イメージングで従来使われてきた、逆バイアスモードで動作させる代わりに、研究チームは順バイアスモードで使った。これは、電流出力を光入力に線形比例させるのではなく、シャコのように対数的に応答させる。
 偏光感度では、研究チームは、ナノ材料を直接、順バイアスフォトダイオードを含むイメージングチップ表面に堆積することで、シャコが、ナノ材料を直接光受容器にを統合する方法を真似た。「これらナノ材料は本質的に、ピクセルレベルで偏向フィルタとして動作し、シャコが偏光を見るのと同じ方法で偏光を検出する」とGruevは説明している。
 従来のイメージングセンサ製造工程を使ってセンサを造ることはできるが、それらは順方向バイアスで動作するフォトダイオード作製に適していない。その代わりに研究チームは、画像を一掃しSNR改善のために追加の処理ステップを開発した。

 ラボで、カメラを多様な光強度、色および偏光状態でテストした後、研究チームはカメラをフィールドに持ち出して、明るい条件や暗部でカメラがどのように動作するかを調べた。「われわれは、トンネル、霧の条件など様々なドライビング照明条件でカメラを使用した。カメラは、なんら問題なくこれらの難しいイメージング条件に対処した」とTyler Davisは話している。
(詳細は、https://www.osa.org)