マシンビジョン市場規模､2025年に182億ドル

October, 24, 2018, San Francisco--グランドビューリサーチのレポートによると､世界のマシンビジョン市場規模は､予測期間にCAGR 7.7%で2025年には182億4000万ドルに達する見込である｡
　わずか数秒で膨大な量の情報を処理するマシンビジョンシステムの能力が､市場成長を促進する主因｡マシンビジョンシステムの迅速な処理能力により､メーカーは､無視できる程度の欠陥しかない製品製造で新たに画期的な成果を挙げられる｡さらに､産業部門でのロボット採用増加が視覚誘導ロボットシステムのアプリケーションにつながる｡自動車､薬品､パッケージング､飲食産業などの業界が､ロボットシステムの利用で際立つ業界である｡これは､究極的にマシンビジョンシステム需要を促進する｡
　マシンビジョン技術には様々なコンポーネントが含まれる｡品質や安全の様々なパラメータに応じて､分析用に製品画像を撮るためである｡技術は､ソフトウエアとハードウエアの組合せである｡これによりデバイスの操作を制御し､画像のキャプチャと処理､判断に必要な様々な特性の計測などの機能を実行する｡システムの主要コンポーネントに含まれるのは､照明､レンズ､画像センサ､視覚処理､通信デバイスである｡マシンビジョンシステムは､複雑な工業的タスクの高信頼解決を支援する｡

産業用マシンビジョンシステムは､通常､施設や教育アプリケーションで用いられるものと比較してよりロバストであり､高い信頼性､安定性､精度が要求される｡軍､航空宇宙､防衛､政府アプリケーションで用いられるものと比べると低コストである｡これらの要素は､産業分野でその技術の適用促進が見込まれているからである｡また､これらの産業で用いられるロボットビジョンシステムは､その技術の普及促進につながり､市場全体を強化することになる｡

品質検査や製造向けの要求が増加しているため､その技術が､製造や品質制御分野で極めて重要であることが分かっている｡加えて､産業分野における自動化の普及が､かなりの比率で市場の成長を後押ししている｡
　マシンビジョン技術は､出現以来､広範な開発と画期的なアップグレードが見られる｡さらに､マシンビジョンシステムは､近年､医療､ヘルスケアアプリケーションで勢いづいている｡医療画像の分析､様々な医療活動を行うロボットアプリケーションは､これらの分野では､マシンビジョン技術が重要な役割を担っている｡
　
2017年､マシンビジョン市場で自動車産業が最大市場シェアだった｡エラー防止手段､点検の有無を含む検査工程が､自動車分野でマシンビジョン普及に貢献している｡飲食産業は､予測期間で最高成長率が予測されている｡パッケージングやビン詰めでマシンビジョンシステムが利用されるからである｡

2017年､APACが最大市場シェアだった｡この地域で行われる大規模生産のために､マシンビジョンに十分なチャンスがあったからである｡中国､日本､韓国､インドなどの国々が,マシンビジョンを含む新技術の潜在市場である｡同地域の急速な産業拡大が､様々なイノベーション､多様な技術の採用の成功と発展に大きく貢献している｡
　加えて､開発､視覚関連の研究活動への投資増､同地域における製造基地の拡大などの要素がAPAC市場発展に拍車をかけると見られている｡APAC市場は､予測期間で最速成長率が見込まれている｡

　急速に進歩するマシンビジョン技術についてユーザの認識不足のために､世界的には課題に直面している｡さらに､マシンビジョンシステム組み込みの複雑さが､メーカーにとっては大きな問題になっている｡これは､市場成長の制限要因でもある｡

調査の要点
･製品では､PCベースセグメントが2017年は最大市場シェアであり､予測期間でその優位性は続くと見られている｡
･アプリケーションベースでは､識別セグメントが､予測期間で最速成長率､それに続くのが位置決めと誘導セグメント｡
･最終利用では､飲食産業が予測期間で最高CAGRとなる見込｡
･APAC市場が､次の10年で大きく成長すると予測されている｡この成長は､十分な機会に触発されるものである｡食品とパッケージング､自動車､薬品､および家電分野で大規模製造が存在するためである｡
(詳細は､https://www.grandviewresearch.com)