October, 24, 2018, 浜松--浜松ホトニクス株式会社(浜松ホトニクス)は、従来の励起用半導体レーザの出力を3倍に高めた、テーブルトップサイズと小型ながら1ジュール(J)と高出力かつ300Hzと高繰り返しでパルスレーザを照射できるパワーレーザ装置を開発した。
通常レーザ装置の出力は装置のサイズ・繰り返し周波数と相反関係にあるが、この課題を解決し小型ながら高出力、高繰り返しのレーザ装置を実現したものである。
浜松ホトニクスは、300Hzの繰り返し周波数では出力100Wの励起用半導体レーザを製造、販売してきた。今回、独自の結晶成長技術とコーティング技術により、従来の励起用半導体レーザの出力を世界最高クラスの300Wまで高めるとともに、レーザ媒質の長さや断面積を工夫し冷却効率のよい設計を増幅器に採用したことで、熱によるレーザ媒質の損傷や破壊という課題をクリアし、従来の増幅器よりも3倍の出力を取り出すことに成功した。また、半導体レーザを励起用光源に用いることで、ランプを用いる市販のパルスレーザ装置と比べ電気から光へのエネルギー変換効率を約10倍、励起用光源の寿命を約100倍とした。さらに、部品点数を抑えることで安定した出力と装置のコンパクト化、低コスト化に成功。レーザー装置の出力は、装置のサイズ、繰り返し周波数と相反関係にあるが、この開発品は小型ながら高出力、高繰り返しを実現している。
この開発品により、細かな汚れを除去するレーザクリーニングなど従来加工の生産効率を向上させるとともに、金属材料を変形加工するレーザフォーミング、金属部品の使用寿命を延ばすレーザピーニングなど新たな応用が期待される。
(詳細は、https://www.hamamatsu.com)