October, 23, 2018, 東京--THK株式会社(THK)、株式会社NTTドコモ(ドコモ)、シスコシステムズ合同会社(シスコ)は、簡単・安全・グローバルに運用可能な製造業向け予兆検知アプリケーション「OMNI edge」(オムニエッジ)を構築し、2019年春の商用化をめざして検討を開始しする。
3社は、商用化に先立ち、2019年2月より50社を対象とした無償トライアルを実施する。
製造業が抱える課題
国内の製造業では、高齢化などにより離職が進み、労働力不足の深刻化が懸念されている。これにより、現在手作業に依存している製造装置の保守点検作業の自動化や、故障予兆検知をシステム化するニーズが高まっており、製造装置メーカーは、独自に制御装置のデータ取得や設備状態を可視化する試みを進めている。
しかしながら、製造装置全体の不具合を検知したとしても、故障部分の特定には熟練した保守点検作業員の感覚による診断が必要な状況となっている。また、各部品のセンシングデータを取得した場合でも、部品の専門知識がなければ、データ解析ができず、故障検知に至らないケースが多くある。
さらに設備状態を可視化するIoTシステム構築には、工場内ネットワークとの接続などITに関する専門知識と多額の初期・運用費用が必要となるため、システムを導入できないケースも多く存在する。
THKが提供する「THK SENSING SYSTEM」
THKは製造業における課題を解決するため、現場の装置に後付けが可能な専用センサにより主要部品であるLMガイドの損傷状態をデータとして取得し、可視化できる技術「THK SENSING SYSTEM」を開発した。この技術は製造装置全体ではなく、故障要因となる主要部品の状況を直接、計測・診断することで、損傷部分を特定することが可能となる。
3社の技術を集め、THKが提供する新IoTサービス「OMNI edge」
3社は、「THK SENSING SYSTEM」に加えて、シスコのエッジコンピューティングルータ、もしくはスマートフォンに集約したデータを、ドコモのモバイル回線を介してセキュアに収集することにより、故障予兆検知の実現に向けたTHKの新サービス「OMNI edge」として提供することを検討する。「THK SENSING SYSTEM」で取得したデータを用いることで、LMガイドの状態診断や装置の予兆保全を可能とするアプリケーションとして提供することを目指す。
「OMNI edge」の最大の特徴としてIoT化に必要なデータ収集・蓄積・分析といった設計・構築作業を自動化することで、IT担当者不在の製造現場でも簡単かつ短期間での導入を可能とし、保守運用に関してもトータルサポートを実施することで、ユーザーの負担を軽減することを目指す。
(詳細は、https://www.nttdocomo.co.jp)