October, 19, 2018, New York--フラットなミクロン厚のレンズが、最上位複合レンズ系に匹敵する性能を提供する。カメラ、顕微鏡、望遠鏡、メガネを含むイメージングに使用される光学機器など、あらゆる光学機器のサイズや重量を飛躍的に軽減できる。
多様な色の光は、様々な材料や構造で伝搬速度が異なる。このため、白色光は、プリズム透過の屈折後、色成分に分離する。これは分散と呼ばれる現象。通常のレンズは,分散のために、多様な色の光を単一スポットに集光できない。つまり、異なる色は同時に焦点が合うことはない。したがって、そのような単一レンズで形成される画像は、不可避的に不鮮明になる。従来のイメージングシステムは、多数のレンズをスタックすることによってこの問題を解決しているが、このソリューションは、複雑さと重量の増加という犠牲を払うことになる。
コロンビア大学工学研究チームは、どんな偏光の広範な色でも、追加素子なしで、同じ焦点に正しく集光できる初のフラットレンズを開発した。わずか1µm、画期的な「フラット」レンズは、1枚の紙よりも著しく薄く、性能は最上位の複合レンズ系に匹敵する。研究成果は、Light: Science & Applicationsに掲載された。
従来のレンズは、光波全体が同時に焦点に達するように全ての光を異なるパスを通して焦点に届くようにルーティングすることで機能する。それは、光に遅延量を付加してレンズの端から中央に行くように製造される。これが、従来のレンズが、端よりも中央で厚くなる理由である。
より薄く、軽量、安価なレンズを発明するという目標で、研究チームは異なるアプローチを採用した。自由空間で光伝搬を制御するために、光学的「メタサーフェス」(工学的2D構造)における専門技術を利用し、研究チームは、ピクセル、つまり「メタアトム」でできたフラットレンズを作製した。各メタアトムは、光波長のごく一部に過ぎないサイズであり、それを透過する光の遅延量は異なる。人の髪の毛ほどに薄い基板上のナノ構造極薄フラット層をパタニングすることで、研究チームは,遙かに厚くて重い従来のレンズ系と同等機能を達成することができた。将来的には、そのメタレンズが大きなレンズ系に取って代わると研究チーム見ている。
研究チームは、コンピュータチップ製造に使用されるのと同じ標準2Dプレーナ製造技術を利用してメタレンズを作製した。
そのフラットメタレンズの利点は、従来のレンズと異なり、高価で時間のかかる研磨工程を必要としないことである。
(詳細は、https://engineering.columbia.edu)