October, 17, 2018, 京都--京都大学 化学研究所の廣理英基准教授らの研究グループは、高強度テラヘルツパルスを相変化材料GeSbTe化合物(GST)に照射すると、アモルファス状態からナノスケールで結晶成長する機構を発見した。GSTは現在使用されている記録型DVDや次世代の不揮発性固体メモリとして期待されている相変化メモリの記録材料。
研究では、世界最高強度のテラヘルツパルスの発生技術を駆使することで、ピコ秒(ps)という非常に短い高電場パルスをGSTに加えることに成功し、電場方向へ選択的にナノスケールの結晶成長が生じることを明らかにした。研究成果は、メモリのスイッチング動作において瞬間的に生じる高電場効果を明らかにし、またナノスケールという極めて小さな構造変化の誘起が可能なことを示したものであり、今後相変化メモリの小型化や高効率化にもつながると期待される。
この研究成果は、Physical Review Lettersに掲載された。
(詳細は、http://www.tsukuba.ac.jp)
研究グループ
京都大学化学研究所の廣理英基准教授(兼 京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS) 連携准教授)、同 金光義彦教授、佐成晏之博士課程学生、同 理学研究科の田中耕一郎 教授、筑波大学 数理物質系の長谷 宗明 教授、東海大学 工学部 光・画像工学科の立崎武弘講師、産業技術総合研究所 ナノエレクトロニクス研究部門の齊藤雄太主任研究員、牧野孝太郎研究員、フォンス・ポール 上級主任研究員、コロボフ・アレキサンドル 首席研究員、富永淳二首席研究員。