October, 15, 2018, 浜松--浜松ホトニクスは、出力条件を最適化するとともに非線形光学媒質に高非線形ファイバを用いることで、自社製キセノンランプと比べ約 1,000 倍と高輝度ながら同等の高い安定性を実現した「スーパーコンティニューム光源(SC 光源)」を新たに開発した。
新開発の製品は、半導体の微細構造など光技術を用いる測定用の光源として、各種測定機器メーカーに向け来春から受注を開始する予定。
開発品の概要
SC 光源とは、ランプのように波長範囲が広くレーザのように高輝度な光を出力する比較的新しい光源。非常に短い時間間隔で繰り返し出力される超短パルスレーザが、非線形光学媒質のファイバ内を伝わっていく際にレーザの波長が広がる現象(非線形現象)を利用することにより、高輝度で波長範囲の広い光を出力する。
開発品は、自社製キセノンランプと比べ約 1,000 倍と高輝度ながら、同等の高い安定性で波長範囲の広い近赤外光を出力する SC 光源。今回、高非線形ファイバを用いることで非線形光学媒質の中で発生する非線形現象を制御することにより、出力する SC 光の安定性を高めた。さらに、超短パルスレーザ光源の出力やファイバの長さなど SC 光を出力する条件を最適化することで、市販の SC 光源の約 20 倍となる高い安定性を実現した。
また、超短パルスレーザ光源の設計を工夫し長寿命化するとともに部品点数を抑えた設計とすることで、低コスト化に成功。高輝度ながら高い安定性で波長範囲の広い近赤外光を出力する本開発品を用いることで、さらなる微細化が見込まれる半導体の構造検査において再現性よくより正確な測定ができるようになる。また、OCT の分野でより高精細な画像を撮影できるなど、光技術を用いるさまざまな測定への応用拡大が期待できる。
新製品は、名古屋大学の西澤典彦教授らのグループとの共同研究により開発したもので、11 月 1 日(木)から 3 日間、アクトシティ浜松(浜松市中区)で 5 年ぶりに開催される、浜松ホトニクス総合展示会「フォトンフェア 2018」に出展される。
(詳細は、https://www.hamamatsu.com)