October, 3, 2018, 大阪--大阪大学レーザー科学研究所、東北大学などで構成される国際共同研究チームは、ネオジム磁石の約600倍の強さを有する600テスラの磁場を高密度プラズマに印加することで、短パルス高強度レーザで加速された電子ビームを集束し、プラズマを効率的に加熱出来ることを実証した。
研究成果は、「Nature Communications 誌」に公開された。
研究成果の要点
・国内最大のレーザ施設、激光XII号及びLFEXを用いて、レーザ核融合の方式の一つである「磁化高速点火」の原理を実証。
・地上最大級のキロ・テスラ磁場を用いて、レーザで加速した光速の電子群を、予め高密度に圧縮したプラズマに向けて誘導することに成功し、プラズマ加熱の効率化を達成。
・理論およびコンピュータ・シミュレーションで実験結果を再現できることを確認。
・レーザ核融合エネルギーの実現への前進であると同時に、実験室内での星の内部状態の再現や極限環境下での新しい物質の創成などの新しい研究への応用も期待。
研究グループの構成
大阪大学レーザー科学研究所の坂田匠平特任研究員、藤岡慎介教授らの研究グループ及び、広島大学工学研究科、米国ネバダ大学リノ校、レーザー技術総合研究所、東北大学工学研究科、自然科学研究機構核融合科学研究所、光産業創成大学院大学、仏国ボルドー大学高強度レーザ応用研究センター所属の研究者ら
(詳細は、http://www.osaka-u.ac.jp/ja)