Science/Research 詳細

京都産業大学、死にゆく大質量星が星のごく近くに作る衝撃波を発見

October, 1, 2018, 京都/東京--東京大学大学院と京都産業大学などから成る研究グループは、京都産業大学 神山天文台で独自開発した高感度・近赤外線高分散分光装置「WINERED」および荒木望遠鏡を用いた観測から、大質量星の一つである「はくちょう座P星」のごく近傍で発生している衝撃波を初めて観測的に捉えた。今回の結果から、大質量星のごく近傍で発生する衝撃波を詳しく調べることが可能となり、大質量星の進化過程のさらなる解明が進むことが期待される。
 今回、東京大学大学院と京都産業大学などから成る研究グループは、京都産業大学神山天文台などとの共同研究によって、0.91-1.36μmの赤外線波長帯において「はくちょう座P星」を観測した。はくちょう座P星は地球から最も近い(5500光年)高光度青色変光星であり、太陽の80倍程度の質量を持っている。この天体は1600年に大規模な爆発を起こしていることでよく知られており、また現在に至るまでガス放出を続けている。観測は、京都産業大学神山天文台の荒木1.3m望遠鏡にて、東京大学と京都産業大学の研究者が参加するLIH (Laboratory of IRHigh-resolution Spectroscopy)によって独自開発された近赤外線高分散分光装置「WINERED」を用いて行われた。
 研究成果は雑誌「Monthly Notices of Royal Astronomical Society」にオンライン出版された。
(詳細は、http://www.s.u-tokyo.ac.jp)