September, 14, 2018, Dresden--フラウンホーファー有機エレクトロニクス、電子ビーム、プラズマ技術研究所FEPは、Electronics System Integration Technology Conference ESTC 2018で繊維製品に組み込めるOLED素子を紹介する。
用途が広いOLEDは、カラー照明にとどまらず、どんな形状にも、透明あるいは調光可能にも設計可能である。ウエハ薄箔に適用されるとOLEDは、今度は繊維製品に用途を見いだす。アプリケーションの範囲は多様であり、ファショントレンド、特殊ブランドやデザイン要素に限られない。
フラウンホーファーFEPのフレキシブル有機エレクトロニクス分野のOLED設計、組み込みスペシャリスト、Jan Hesseは、「発光素子を衣服に組み込むことは、ファッションデザインを新鮮にし、極めて具体的なメリットも生み出せる。輝くロゴやアプリケーションは注目度が高まり、視認性が著しく増し、たとえば道路交通で、装着者の安全性が向上する」と話している。利用は、たとえば、夜間の諸設備での作業着が考えられる。
研究チームはOLEDを特殊波長範囲に適合させられるので、医療などの特殊アプリケーションも考えられる。たとえば、赤外光は、皮膚病治療で成功している。フラットな赤外光を組み込んだシャツは、光線治療での利用可能性がある。
衣服へのOLED素子の組み込みを簡素化し、デザイナーがその技術を簡便に利用できる機会を与えるために、フラウンホーファーFEPの研究チームは、機能ボタンを開発した。この「Oボタン」は、ウエハ薄箔OLEDとマイクロコントローラを従来のサーキットボードに統合している。
ボタン形状のサーキットボードは、導電性糸で布地に取り付けられており、電力が供給され、制御される。OLEDそのものは連続的に調光可能である。ボタンの二色可変バリアントも利用可能。OLEDの構造化にはほぼ限りがない。この方法で仕上げた布地によりデザイナーは、新しい画期的なデザインを作ることができ、アプリケーション範囲をさらに開くことができる。
フラウンホーファーFEPは、この目的で「Oボタン」サンプルを提供している。これは、個別化されたデザインを最初のプロトタイプに変換し、パイロット製造までパートナーとなることができる。研究チームは、すでにファッション業界のデザイナーと協働している。布地統合に関するさらなる課題、耐水洗性、リサイクルにはとり組んでおり、パートナーとともにさらに開発を進める。最初のOLEDファッションは、3年程度で店頭に展示される見込みである。