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僅少層2D材料でサブバンド間遷移ナノイメージング

September, 5, 2018, Castelldefels--Nature Nanotechnologyに発表された研究は、散乱走査型近接場光学顕微鏡による、2D材料におけるサブバンド間遷移の初の観察報告である。

最高品質の量子井戸は一般にMBEで作製される。しかし、2つの大きな制約がある。格子整合が必要であるため、材料選択の自由度が制限される。また,熱成長が原子拡散を起こし、界面粗さが増加する。2D材料は、原子的にシャープな界面で量子井戸を形成するので、これらの制限を克服できる。欠陥のない、原子的にシャープな界面となるので、理想的な量子井戸の形成が可能になり、拡散不均質性から自由になる。基板と整合するエピタキシャル成長は不要であり、したがって絶縁、他の電子システムとの結合は容易である、例えばSi CMOS、あるいはキャビティや導波路などの光学システム。

しかし、少ない層の2D材料でサブバンド間遷移は、これまでに実験的にも理論的にも研究されたことがない。したがって、ICFO研究者は、他国の研究者と協力して、少ない層の2D材料(TMDs)量子井戸におけるサブバンド間遷移で、初の理論計算と実験観察を報告している。
 実験では、研究チームは散乱走査型近接場光学顕微鏡(s-SNOM)を画期的なアプローチとして、20nm以下の空間解像度でスペクトル吸収計測に適用した。チームは、数µm程度の様々な層厚のテラスで構成されたTMDsを剥離した。チームは、単一の機器でこれら多様な量子井戸厚でサブバンド間遷移を直接観察した。また、電荷キャリア密度を静電的に調整し、価電子帯と伝導帯の両方におけるサブバンド間遷移を実証した。これらの観察は、多体効果と非局所効果を明らかにする詳細な理論計算で補完、サポートされた。
 この研究成果は、材料のこの新しいクラスで未開拓の分野に道を開き、2D材料におけるサブバンド間遷移によって可能になる物理学や技術を明らかにする。例えば,赤外ディテクタ、光源、Si CMOSとコンパクトに統合できるレーザなどである。
(詳細は、www.icfo.eu)