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Organs-On-A-Chip用にリアルタイム酸素モニタリングバイオセンサ

August, 24, 2018, Raleigh--新しいバイオセンサにより、研究者は“organ-on-a-chip”(チップ上器官)システムで酸素レベルをリアルタイム追跡できるようになり、そのようなシステムが実際の器官の機能をより密接に真似ることが確実になる。organs-on-a-chipが、薬剤や毒性テストなどのアプリケーションでその潜在能力を達成するには、これが不可欠である。
 organs-on-a-chipコンセプトは、10年ほど前から研究者の注目を集めている。その考えは、小規模の生物学的構造物を造ること。これは特殊器官の機能を真似る、例えば空気から血流に、肺と同じように酸素を移転する。目的は、こうしたorgans-on-a-chip、いわゆるマイクロ生理学的モデルを使って、毒性評価、新薬の効果の評価のために高スループットテストを促進することである。
 しかし、organs-on-a-chip研究は、近年大きく進歩したものの、これらの構造を使うための一つの障害は,実際にそのシステムから情報を取り出すように設計されたツールの欠如である。 
 ノースカロライナ州立大学の電気工学助教、論文の責任著者、Michael Danieleは「ほとんどの場合、organs-on-a-chipで起こっていることについてデータを収集する既存方法は、バイオアセイ、組織学の実施、あるいは組織破壊に関するような他の技術の利用だけである」とコメントしている。
 同氏によると、実際に必要なものは、システム動作に影響を与えることなくリアルタイムでデータを収集する手段を提供するツールである。「それによって、われわれは連続的にデータを収集、分析でき、起こっていることを十分に見ることができる。われわれの新しいバイオセンサは,少なくとも酸素レベルでは、まさにそれができる」。
 酸素レベルは、身体全体で大きく変化する。例えば、健康な成人では、肺組織は、約15%の酸素濃度を持つ。腸の内壁はほぼ0%である。酸素は組織機能に直接影響するので、これは重要である。器官がどのように正常に機能しているかを知りたいなら、実験を行う際に、organs-on-a-chipで「正常」な酸素レベルを維持する必要がある。
「実際、このことの意味するところは、organs-on-a-chipの周囲環境だけでなく、organs-on-a-chipの組織そのものの酸素レベルをモニタする方法が必要だということである。それがリアルタイムでできなければならない。われわれは、その方法を手にしたのである」と同氏は言う。

そのバイオセンサのカギは、赤外光露光後に赤外光を発するリン光ジェルである。これは、反響するフラッシュと考えれば良い。しかし、ジェルが光を受けたときとそれが反響フラッシュを発するときの間の遅延時間が変わる、これはその環境における酸素量に依存する。そこに酸素が多ければ多いほど、遅延時間は短くなる。この遅延時間は、わずマイクロ秒であるが、その時間のモニタリングにより、研究者は1/10%まで酸素濃度を計測できる。
 バイオセンサを機能させるには、研究者は製造時に薄いジェル層をorgans-on-a-chipに組み込まなければならない。赤外光波組織を透過できるので、研究者は「リーダー」使い、組織の酸素レベルを繰り返しモニタできる。遅延時間はマイクロ秒で計測できる。
 そのバイオセンサを開発した研究チームは、健康組織とガン組織の両方をモデル化するために人の乳房上皮細胞を使い3Dスカフォールドで、そのテストに成功した。
 Danieleは、「われわれの次のステップの一つは、organs-on-a-chipで所望の酸素濃度を維持するために、そのバイオセンサを自動的に調整するシステムに組み込むことである」と話している。