August, 2, 2018, Espoo--われわれの日常生活は、電子プロセッサに依存して、基本的な算術、論理を行い、携帯電話からスマートTVを可能にするオペレーションを制御する。しかし、現在の技術は、その限界に近づきつつあり、世界中の研究者が次世代コンピューティングを可能にするために研究している。
Science Advancesに発表された論文では、アールト大学(Aalto University)の学際的研究チームが、新しいタイプのナノワイヤベースナノ構造に、光に論理機能、単純な足し算と引き算をさせる方法を明らかにしている。ナノスケールオールオプティカル・ロジック回路を実証する最初の研究成果は、真の光コンピューティングへの重要なステップである。
「われわれは二進数計算を行うことができる、たとえば、このナノ構造がこうした機能を単純なポケット計算機のように実行できることを示した。ただし、電気を使う代わりに、そのナノ構造は光だけを使って実行する」とDr. Henri Jussilaは説明している。
ナノ構造を造るために研究チームは、2つの異なる半導体ナノワイヤ、InPとAlGaAsをアセンブリする新しいアプローチを採用した。それらナノワイヤは、独自の1次元構造であるので、光に対してはナノサイズのアンテナのように機能する。
「われわれは、髪をとかすのと同じような簡単な結合技術を使って、これらのナノ構造をアセンブルする」とDr. Henri Jussilaは説明している。
この機械的結合法によりナノワイヤは、どんな特定方向にも整列可能である。これは、一般に使用されているランダム配列で製造されたものとは異なる。しかし、アンテナを理想的な配列にするカギは繰り返しである。
「その結合法を繰り返すことで、2つのナノワイヤが相互に垂直になるナノ構造の集積デバイスを構築できる」とZhipei Sun教授はコメントしている。
「1次元およびクロスバー構造は、われわれの計算の核心である。入力光が、相互作用するどのナノワイヤ、InPかAlGaAsのどちらを選択することを可能にするからである」とDr. He Yangは話している。
入力に従い、この場合は直線偏光とその波長により、ナノワイヤは、入力光と相互作用したり、しなかったりする。これは実際的には、無線受信器におけるアンテナの使い方と同じである。無線受信器は、適切な方向に指している時にだけ信号を受信する、一般には上方向である。違うナノ材料の応答は異なるので、製造されたナノワイヤ構造の光出力は、異なる波長、光の方向で、ロジック動作が実現できるように、切り替え可能である。
(詳細は、http://www.aalto.fi/en/)