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Sandia Labsライトミキサー、11色を同時生成

July, 6, 2018, Albuquerque--サンディア国立研究所(SNL)で作られた新しい微小合成材料により、ワンボタンクリックでレーザ光を変えられるマルチカラーレーザポインターが可能になる。
 新しい光混合メタマテリアルの研究成果は、Nature Communicationsに掲載された。論文は、ナノシリンダアレイでできたメタマテリアルが2つの近赤外光パルスとどのように混合して近赤外から11色、虹の色から紫外までを作るかを報告している。
 メタマテリアルは、微小な繰り返し構造でできた材料であり、従来の材料ではできない仕方で電磁波と相互作用する。その構造は、操作される光波長よりも遙かに小さい。たとえば、青いモルフォ蝶の翅が派手な虹色を示す自然の構造にいささか似ている。翅には微小な繰り返しパターンの鱗粉があり、それが光を反射して青色を作る。

メタマテリアルが色を混合して新しい11波長を作りだす
 この光ミキサーのために、ナノシリンダアレイをGaAsから作製した。GaAsは、光を強く曲げ、屈折させる。つまりこの種のメタマテリアルの本質である。個々のナノシリンダは、高さが約500nm、人の髪の毛よりも100倍小さい。直径は約400nm。それらは、相互に840nmの間隔となるように正方形パターンで配置されている。
 色混合の現状の方法、たとえばグリーンレーザポインターに用いられているものは、特注結晶を使って光の波を完璧にアライメントし混合させる。これは、位相整合と言われている。物理的な法則により、1つの異なる色の光を作るために、個々の結晶は、入力光の1色に効率的に整合するだけである。サンディアのメタマテリアルの機能は全く異なっている。

 研究チームは、2つの近赤外レーザを選択した。波長はメタマテリアルの共振周波数に調整してある。つまり、ナノシリンダ内で最も跳びはねる波長である。これら2つのレーザからの光、研究チームは、それらをA、Bと言う。この2つのレーザ光を混合して、異なる混合により11色を作る。複雑な混合の中に、A+A、 A+B、 B+B、 A+A+B、 and A+B+Bが含まれている。
「この小さなデバイスと2つのレーザパルスでわれわれは、同時に新しい11色を生成することができた。角度を変えたり、位相整合する必要はない」と論文の筆頭著者、Polina Vabishchevichは説明している。

光メタミキサーは、幅広い研究アプリケーションに可能性がある
 このメタマテリアルは半導体デバイス製造から借りたプロセスを利用して作製した。この製造は、サンディアの複数のファシリティで行われ、ロスアラモス国立研究所と共同運用ファシリティも利用している。
 光メタミキサーの変換効率は非常に低い。たとえば、結果として得られる赤-オレンジの光は、入力光に比べると非常に弱い。Igal Brenerによると、効率は、メタマテリアルの多層スタックにより、今後向上する。

 多様な種類の化学的、生物学的研究、特殊顕微鏡を使って病気がどのように免疫系に侵入するかの研究から、自動車の効率改善のための燃焼化学の研究は、特殊な波長の光を必要とする。この光メタミキサーは、レーザからの光を、レーザが入手できない新しい波長に変換でき、研究者は、別のレーザを購入することなく、1つの波長から別の波長に波長を切り替えることができる、Brenerは説明している。
 スイッチできる、チューナブルレーザは、生物学、化学、大気の研究にも有用である。リモートセンシング、光ベースの通信、量子オプティクスにも使える。