June, 8, 2018, Houston--最近のガリウムのフラットフォーム発見を受けて、ライス大学の研究者をリーダーとする国際チームが、また1つ2D材料を実現した。これは、研修者によると、太陽燃料生成の大変革である。
ライスの材料科学者、Pulickel Ajayanのチームは、通常の鉄鉱石から3原子厚のヘマティーン(hematene)を抽出し、研究成果は、Nature Nanotechnologyに発表された。
ヘマティーンは、特に水を水素と酸素に分離する用途では、効率的な光触媒かもしれない。また、スピントロニックベースデバイスには超薄磁気材料として働く、と研究者は説明している。
「材料合成における最近の進歩で2D磁性は、ますます驚くべき分野になっているが、合成技術は複雑であり、その材料の安定性は限られている。ここでは、われわれにはシンプルでスケーラブルな方法がある。ヘマティーン構造は環境的に安定的である」とAjayanは言っている。
同氏の研究室は、ヒューストン大学、インド、ブラジル、ドイツなどの研究者と協力し、自然に生ずるヘマティーンからその材料を剥離する。これには、超音波処理法、遠心分離、真空アシストフィルタを使う。
ヘマティーンは、光触媒特性を持つことがすでに知られていたが、役立てるには十分でなかった。
「効率的な光触媒となる材料は、太陽光の可視光部分を吸収し、電荷を生成してそれを材料表面に送り、所望の反応を実行しなければならない」ヒューストン大学物理学准教授、Oomman Vargheseは言う。
「ヘマティーンは、紫外から黄色-オレンジまでの太陽光を吸収するが、作り出す電荷の寿命は非常に短い。その結果、それらが表面に届く前に消えてしまう」と同氏は説明している。
ヘマティーン光触媒は、もっと効率的である。フォトンが表面の数原子内で負と正の電荷を生成するからである。新しい材料と二酸化チタンナノチューブアレイをペアにすることで、電子がヘマティーンを離れる簡単な経路が提供され、可視光の吸収がより多くなることを研究者は確認した。
また、ヘマティーンの磁気特性は、ヘマタイトの磁気特性とは違うことも研究者は発見した。天然のヘマタイトは、反強磁性であるが、試験によりヘマティーンが,通常の磁石のように、強磁性であることが分かった。強磁性では、原子の磁気モメントは同じ方向を指し示す。反強磁性では、モメントは代わりに隣の原子を指し示す。
炭素やその2D形態、グラフェンと違い、ヘマタイトは、非ファン・デル・ワールス材料である、つまり3D結合ネットワークにより結合し、非化学および比較的弱い原子ファン・デル・ワールス相互作用ではない。
「今日までのほとんどの2D材料は、自然に層状に存在し、一般にファン・デル・ワールス固体として知られるバルク材料からとられていた。3D結合ネットワークを持つバルク先駆体からの2D材料は稀であり、この関連でヘマティーンは大きな意味を持つ」と論文の共著者、インド、コチン科学技術大学教授、Anantharaman Malie Madom Ramaswamy Iyerは話している。
(詳細は、www.rice.edu)