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中赤外で分子検出可能チップスケールブロードバンド光学システム

June, 6, 2018, Sunnyvale--コロンビアエンジニアリング(Columbia Engineering)の研究チームは、中赤外域でチップベースデュアルコム分光計を初めて実証した。これは可動部分がなく、2µs以下でスペクトルを取得できる。システムは、2つの相互にコヒレント、低ノイズ、2600~4100nmスパンのマイクロ共振器ベース周波数コムで構成されている。システムは、ナノ秒時間スケールでリアルタイムセンシング用の分光学lab-on-a-chipの開発につながる。
 「われわれの成果は、集積プラットフォームでデュアルコム分光計が最高光帯域が実証されたことを示している」とNature Communicationsに発表された論文で、応用物理学・材料化学教授、Alexander Gaeta、David M. Rickeyは報告している。
 リアルタイム、高スループットで微小分子を検出可能にする分光センシングデバイスの実現はかなり難しかった。数ヶ月前、GaetaとMichal Lipson、電気工学Higgins教授のチームが単一のミリメートルサイズのチップに2つの周波数コムジェネレータを設置することでデュアル周波数コムの微小化を初めて実現した。研究チームは、デュアルコムの周波数スパン拡大に取り組み、コムのラインを調整することで分光計の分解能を高めることに取り組んだ。
 この現状の研究で、研究チームは中赤外範囲に注力している。この領域は、可視光、あるいは近赤外領域と比べて一般に10~1000倍大きな分子吸収があるので、微小分子の検出に最適だからである。中赤外域は、多くの分子の「フィンガープリント」を効果的にカバーしている。
 研究チームは、マイクロ共振器として2つのシリコンナノフォトニックデバイスを使用し、中赤外デュアルコム分光計を作製した。その集積デバイスにより、広帯域中赤外光の直接生成が可能になり、分子吸収の評価で、取得速度の高速化が可能になった。
 「われわれの研究は、液体/固体相研究用チップベースのデュアルコム分光計の重要な前進である」と論文の筆頭著者、Mengjie Yuはコメントしている。「われわれのチップスケール広帯域光システムは、本質的にlab-on-a-chipである。これは、化学種の識別に最適であり、化学、生体医療、材料化学、産業工程制御で幅広いアプリケーションを見いだす」と同氏は話している。
(詳細は、http://engineering.columbia.edu/)