April, 3, 2014, Munich--トプティカ(TOPTICA)は、チリのパラナルにある超大型望遠鏡(VLT)、ヨーロッパ南天天文台(ESO)のAdaptive Optics Facilityに設置される新世代のナトリウムガイドスターレーザを3年かけて完成させた。
2014年8月までにトプティカは、レーザ4台と予備1台のESOへの引き渡しを完了する。パラナルの空に初めて光が発せられるのは2015年初めの予定。
新開発のレーザシステムは、1178nm、出力50mWの狭帯域可変レーザ、カナダのMPBコミュニケーションズが開発したラマンファイバアンプ、周波数逓倍ステージで構成されている。出力周波数は高分解能波長計(HighFi-nesse GmbH)にアクティブロックされている。
レーザシステムの役割は、高度90km地球の中間圏で自然に生ずるナトリウム原子を共鳴励起することで望遠鏡の適応型オプティクスに「人工星」を作ること。この星により、アクティブミラーコントロールシステムが、地球大気の乱気流によって起こる波面歪を修正し、鮮明な画像が得られるようにする。
新開発のガイドスターレーザは、天文台環境(標高4200m、重力不変動作、最小熱放散、遠隔自動制御)での動作が難しかった従来のレーザアプローチの問題を克服した。ガイドスターを発射する望遠鏡に直接搭載されるレーザヘッドは、それよりね大きな励起レーザから空間的に最大27m離すことができる。また特徴として、特許になっているD2bサイドバンド生成(リポンプ)方式を組み込んでおり、戻り光が飛躍的に強化されて従来よりも遙かに明るいレーザガイドスターの生成が可能になる。