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赤外超短パルスレーザの新しい増幅法を実証

May, 23, 2018, 和光--理化学研究所(理研)光量子工学研究センター アト秒科学研究チームの付玉喜(フ・ユーシー)研究員、緑川克美チームリーダー、高橋栄治専任研究員の研究チームは、独自の超短パルスレーザ増幅法を実証し、波長可変でありながらテラワット(TW)級のピークパワーを持つ「赤外フェムト秒レーザ」を開発することに成功した。

研究成果は、軟X線域において、パルス幅が短くかつ高強度のアト秒レーザ開発を可能とする。さらに今後、数keV域の光子エネルギーを持つ卓上サイズのコヒーレント光源や、円偏光コヒーレント軟X線光源開発に貢献すると期待できる。

研究チームは、2011年に独自の赤外レーザ増幅法「二重チャープ光パラメトリック増幅(DC-OPA)法」を考案し、TW級の出力を持つ赤外超短パルスレーザの設計・開発を進めてきた。今回、DC-OPA法を利用して、中心波長1~2µm域において、波長可変かつ100ミリジュールを超えるパルスエネルギーと2.5TWのピークパワーを持つ赤外フェムト秒レーザを実現した。今回の成果により、2サイクルのパルス幅でTW級のピークパワーを持つ赤外レーザや、ペタワット(PW)級の高出力性を持つ赤外フェムト秒レーザを実現できるめどが立った。
研究成果は、英国のオンライン科学雑誌『Scientific Reports』に掲載された。
(詳細は、www.riken.jp)