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レーザベースのシステムで石油/ガス操業から漏洩を連続モニタリング

March, 29, 2018, Washington--数マイル平方で微量のメタン漏洩箇所を正確に示すことができる、新しいレーザベースシステムのフィールドテストが行われた。この新技術は、いずれ石油やガス製造サイトで、コストがかかり危険なメタン漏洩の連続モニタに使用される。
 天然ガスの主成分として、メタンは、正常な石油やガス製造中に、あるいは製造インフラストラクチャの未知の漏れにより漏洩する。このような漏洩は、石油・ガス会社にとってコストがかかるだけでなく、気候の変化にも影響し、人々にも危険である。今日、さまざまなサイトに出向いて、近接距離でメタンに感度がある特殊カメラで漏洩をチェックしなければならない。このアプローチは時間がかかり、事実上間欠的であるメタン漏洩を見逃すことになる。
 コロラド大学ボルダー校、論文の共著者、Sean Coburnは、「われわれのアプローチにより計測は自律的であり、エリアの連続モニタリングが可能になる」とコメントしている。「この技術は、製造活動におけるメタン漏洩低減で重要な役割を果たす。また、都市開発と石油・ガス製造との間の緊張を緩和し、90000メートルトンのメタンが大気中に放出された2015年 Aliso Canyonメタン貯蔵漏洩のような災害回避にも役立つ」。
 Opticaに発表された論文によると、コロラド大学、NIST、NOAAの研究チームは、開発システムが屋外設定で1kmの距離で緩慢な、低量メタン漏洩を比類なく検出できることを示した。研究チームは、同システムが、人の安静時呼吸の25%相当の流量の漏洩を検出可能であることを実証した。
 Coburnは、「われわれのシステムは、周波数コムレーザ分光計をベースにしている。最近の進歩によりわれわれは、この技術を実験室から外に出し、初めてフィールドで利用することができるようになった。この精密分光技術と新しいコンピュータ法の統合により、われわれはメタン源の正確な位置を特定し、比類のない感度と範囲で放出率を判定できる」。
 メタンや他のガスは、特殊赤外波長で光を吸収し、空気中のガスを検出するためのフィンガープリントのように利用できる吸収スペクトルを生成する。新システムは、スキャニングレーザビームを利用する。個別のリフレクタがフィールドに配置されており、ビームパスと交わる空気中のメタン量を判定する。2つのレーザビームパスからの計測を比較することで、漏洩がパス間のエリアに存在するかどうかが分かる。漏洩の正確な位置と規模は、新開発の方法を利用して判断する。これは、計測時間でガスがエリアをどのように移動するかをシミュレートする大気モデルを利用している。
 システムの重要コンポーネントは周波数コムレーザ。これは数十万の赤外波長を放出する。従来のレーザは1波長しか放出しない。このタイプのレーザを分光計に利用することで、幅広い範囲の波長にわたり非常に高い分解能で高速計測が可能になる。これは、メタンや水など同様の波長で吸収するガスを区別するのに重要であることが証明されている。
 「小さな漏洩から風下のメタン濃度の変化は、暴風雨が始まったときの水蒸気による希薄化で変化するメタンとほぼ同じである」とメタン技術開発プロジェクト首席研究員、Gregory Riekerは説明している。「レーザ周波数コム分光計により、われわれは水蒸気とメタンを同時に、正確に計測できる。これにより空気中の水の補正を行う、これは広いエリアにわたる微量メタンを検出するために重要である」。
 システムは、風の方向が変わることで変化するバックグラウンドメタン濃度も計算する。この点は、空気中のメタン濃度全般の変化から微量漏洩を区別するために極めて重要である。
(詳細は、論文Optica, Volume 5, Issue 4, 320-327 (2018))