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コンパクト光センサで狭い空間の高感度分析

March, 26, 2018, Washington--非常に狭いスペーズで様々な化学的、生物学的分析を行うように設計された新しい高感度フレキシブルセンサが開発された。センサの微小サイズは、それが血管内挿入可能であることを示している。さらに開発を進めることで、同センサは特殊な化学物質、DNA分子、ウイルスの検出に使用できる可能性がある。
 中国科学アカデミー、長春オプティクス研究所精密機械・物理学の研究チームのメンバー、Chao Chenは、「われわれのファイバセンサは簡素な構造で、安価に製造でき、狭いスペースで高感度計測できるほどに小さい。将来的には、様々なアプリケーションで化学的、生物学的センシングに使用できる」とコメントしている。
 新しいセンサは、1-㎜長の細い光ファイバでできており、Sテーパ状に曲げられている。光学特性、屈折率の変化を検出することでデバイスは濃度、pHおよび他の化学パラメータをセンシングできる。
 Optical Materials Expressに発表された研究成果によると、このセンサ設計は、他のテーパ状ファイバ屈折率センサよりも9倍以上高感度である。また、デバイスの計測が温度変化の影響を受けないことも実証された。これは、正確な分析を保証する一助になる。
 Chen氏は、「この微小センサは、精錬所で使用して、潜在的に火災や爆発につながる漏洩を検出する。デバイスは高感度であり、分析には極めてわずかなサンプルが必要となるだけであり、たとえば食品の汚染物検出に有用な特性がある」と話している。
 センサを動作させるために研究チームは、特殊スーパーコンティニウム光源からの白色光をファイバで送る。光がファイバのテーパ領域に入ると、その一部が漏れて周囲のサンプルと相互作用し、これにより光のスペクトルが変化する。この変化した光がファイバ端の銀のミラーに当たって反射され、光スペクトルアナライザ(OSA)までファイバを戻る。OSAは、スペクトルの変化をモニタし記録する。そのスペクトルシフトを用いて、サンプルの化学的特性を判断することができる。
 この新しいセンサは、研究チームの以前の開発を改良したものである。狭く限定的な空間で役立つようにするために研究チームは、サンプルを透過する光ではなく、反射光を利用する新しいセンサを設計した。このような変更によりデバイスの計測は、小さな屈曲の影響を受けにくくなった。S形状テーパもファイバのセンシング部分を他のテーパファイバベースの反射屈折センサよりも小型にしている。これら他のセンサは、長すぎてコンパクトなプローブを形成できない。
 新しいセンサ設計をテストするために研究チームは、室温で、それをさまざまな濃度のグリセリン-水溶液に沈めた。反射スペクトルの変化をモニタすることにより研究チームは、同センサが周囲溶液の屈折率変化に極めて高感度であることを実証した。また、センサを室温から10℃刻みで100℃まで加熱したとき、センサの反射スペクトルはほとんど変化しなかった。このことは、温度変化がセンサの精度に影響を与えないことを示していた。
 次に研究チームは、ファイバテーパを一層細くすることでセンサの感度が向上するかどうかをテストする計画である。また、ファイバ表面に機能物質を持つセンサバージョン作製することも考えている。その物質が特殊な分子に結びつくと、センサは、例えばDNA、ウイルスの検出ができるようになる。