Science/Research 詳細

気候変化の影響を追跡できるレーザ

February, 28, 2018, Salford--サルフォード大学の研究チームは、開発したNEW LASERスキャニング技術を使って、これまでになく詳細に森林をマッピングしている。
 この技術は、自然の気候変化の影響についてより早く、優れたデータの取得に役立つ。
 サルフォード大学地理学教授、Mark Dansonは、「気候の変化は、世界の多くの場所で森林の春を早くしたが、時系列で林冠の葉の量を計測することは現在は不可能である」と言う。
 「われわれの研究では、森林における立体的な葉の成長をマッピングする新しい方法をテストしている。これは所定の日に森林の成長を見分ける観察者に頼らないようにするためである。われわれは、葉の発育を遠隔から空間的、時間的にマッピングすることができる」。
 Danson教授は、Salford Advanced Laser Canopy Analyser (SALCA)を開発した。これは操作可能なスキャナで、葉と樹木を区別でき、1本1本の木々と完全な森林全体の両方で葉の分布の3Dマップを作成できる。
 このアプローチは、気候変化に関係する重要な情報を提供する森林の葉の動力学計測に変革を約束するものである。
 葉の正確なマップを調べるために、チームはハンプシャーで3本の大きな樫の木の葉をカウントした。全体で250000、一本あたり約80000である。また、その重量と全面積も推定した。
 論文では、同じ3本の木の3Dモデルをスキャンから抽出した。スキャンは「葉が落ちた」状態と、「仮想」葉から取得した。「仮想」葉は、これらの木々に計測された葉と同じ比率でつけられている。仮想的に葉をつけられた木は、次に手動サンプリングから抽出した葉の分布と比較され、非常によく対応していることが確認された。
 葉の面積の人手による計測は、15人のボランティアが3日終日かかったが、レーザスキャナの再構築ではわずか数時間だった。
 Danson教授は、「森林の春の葉の成長を迅速かつ正確に計測することは、気候変化と植生成長の関係を理解する上で重要である」とコメントしている。
(詳細は、www.salford.ac.uk)