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近赤外光で化学療法効果のある乳ガン患者を特定

February, 23, 2018, New York--コロンビア大学が開発した新しい光イメージングシステムは、赤色と近赤外光を使って、化学療法に反応がある乳ガン患者を特定する。このイメージングシステムは、、治療が始まって2週間程度で化学療法に対する影響を予測することができる可能性がある。
 その新しいイメージングシステムは、1回の息止めに反応して血流ダイナミックスを非侵襲的に計測する方法であり、その最初のパイロット研究からの成果は、Radiologyに発表された。
 「現在、治療早期に化学療法の処置の結果を予測できる方法はないので、これは大きな前進である」と乳ガンプログラムセンタのメンバー、研究の共同リーダー、生体医用工学・電気工学教授、Andreas Hielscherはコメントしている。動的光トモグラフィ胸部イメージングシステムは、両方の胸の3D画像を同時生成できる。その画像により研究者は、胸部の血流を見ることができ、血管変化が、また血液が腫瘍とどのように相互作用するかを見ることができる。「これは悪性組織と健全組織の区別に役立つ、また、腫瘍が化学療法にどのように反応しているかが、他のイメージング技術よりも早く分かる」と同氏は付け加えている。
 術前化学療法は、手術前5~6ヶ月前に行われるが、これは、新しく診断された、侵襲的であるが、手術可能な女性ガン患者の一部には、標準的な処置である。術前化学療法の目的は、手術前に、完全な反応を示す活性ガン細胞を除去することである。完全な反応を示す患者は、そうでない患者よりもガン再発リスクが低い。しかし、完全な反応を示すのは、術前化学療法を受けた女性の半分以下である。
 胸部の血管系を見ることに手がかりがあるのではないかと研究者は考えていた。乳ガンは、健全な乳房で見つかるよりも、血管ネットワーク密度が高い。血流は、健全な乳房では自由に流れるが、腫瘍のある乳房では、血液が腫瘍に吸収され、血流が妨げられる。化学療法薬剤はガン細胞を殺すが、腫瘍内部の血管にも影響を及ぼす。血液は、強い光吸収性があるので、研究チームは、このような血管の変化の光学的手がかりを捉えることができるかも知れないと考えた。
 研究チームは、2011年6月~2016年3月まで、侵襲性乳ガンの34患者のイメージングデータを分析した。患者は、マモグラムと違い、全く圧迫のない光学システムに楽に胸部を置いた。
 研究チームは、患者が少なくとも15秒息を止めている間に一連の画像を撮った。息止めは、血液の逆流を阻止するものであり、動脈を通した流入を阻止するものではない。息を吐いた後にさらに画像を撮り、胸部の血管からの血液が流れるようにした。画像は、化学療法前とスタート後2週間に撮像。次に、画像を化学療法から5ヶ月経過した患者の結果とを比較した。血液の流入と流出の様々な側面を利用して、治療に反応する患者と反応しない患者を区別した。例えば、血液の流出率を利用して、患者の92.3%の反応のある患者を正しく特定した。一方、腫瘍内部の血液密度の最初の増加を利用して、90.5%の反応なしの患者を特定した。
(詳細は、www.columbia.edu)