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光学限界を超えた分解能を有する近接場ラマン顕微鏡法の新規開発

January, 31, 2018, 東京--東レリサーチセンターは、堀場製作所の協力のもと、現在の光学限界を超えた空間分解能を持つ新しいラマン顕微鏡を開発した。この装置を用いることにより、パワー半導体上の局所部における応力歪み解析が、世界初、約250nmの空間分解能で行うことが可能となった。
 現在、ラマン分光法の空間分解能は物理的な光学限界であるおよそ1µmが達成されている。しかし、近年の半導体デバイスの微細化にともない、ラマン分析手法のさらなる高分解能化が求められるようになっている。特に、最近、急速な発展が見込まれる炭化シリコン(SiC)を中心に、パワーデバイス開発には、電極界面やゲート酸化膜との基板界面の応力がパワーデバイスの電気特性に大きな影響を与えることから、微小部界面での応力評価が必要不可欠になってきており、ナノメートル(nm)オーダーの分解能を有する新規応力分析手法の実現が待望されている。
 東レリサーチセンターでは、安定動作が可能な近接場ラマン分光装置を堀場製作所の協力を得て開発した。近接場光の発生源であるプローブも新規に開発し、水平・垂直方向ともに250nmの空間分解能が安定して得られることを確認した。この装置を用いて、今後急速な需要が見込まれるSiC半導体とゲート酸化膜界面に発生する局所応力を高精度で測定する分析技術を開発した。
(詳細は、www.toray.co.jp)