January, 12, 2018, 東京--NICTサイバーセキュリティ研究所セキュリティ基盤研究室は、量子コンピュータでも解読が困難な格子理論に基づく新暗号方式LOTUS(ロータス)を開発した。
LOTUSは、暗号文の復号の際にその構造をチェックする機能を持っており、現在の公開鍵暗号と置き換え可能な汎用性も有している。さらに、格子理論に基づく暗号技術の安全性評価手法を同時に開発し、複数の格子暗号同士を統一的な基準で比較することが可能になった。
LOTUSの特徴としては、量子コンピュータでも解読が難しい耐量子性を持ち、また、ブラウザ、データベースなどに組み込み可能な汎用性を持つことなどが挙げられる。そのため、暗号の専門家でなくても安全に使うことが可能である。
近年の量子コンピュータの発展に伴い、これら新しいタイプのコンピュータでも解読が困難な耐量子計算機暗号の標準化が急務となっている。米国国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology: NIST)が現在の暗号方式を置き換える耐量子計算機暗号を世界中から公募していたが、今回、書類選考を通過した69件の候補が公開された。NICTで開発した暗号方式もこの候補の一つ。今後数年かけて、これらの候補の評価・選定が行われる。
(詳細は、www.nict.go.jp)