December, 6, 2017, 大阪--大阪大学とパナソニックは、2013年より産学医工連携による血管内観察用医療機器の開発に着手し、直径1.8㎜でありながら約48万画素相当の高画質で血管内における前方視を可能にする、世界初の“イメージセンサ先端搭載型血管内視鏡カテーテル”の実用化に成功した。
現在、血管内治療に用いられる血管内観察用医療機器として、超音波(IVUS)や光干渉断層法(OCT)があり、これらの機器はモノクローム(単色)での血管断面の観察を得意とするが、臨床現場においては、リアルタイムに前方の状況を見ながら治療したいというニーズがある。今回開発した血管内視鏡カテーテルは、先端にイメージセンサを搭載することにより、フルカラーで血管の前方方向を観察することを可能にした。
この血管内視鏡カテーテルの実用化には、血管の中に挿入する細い筒状のカテーテルの先端に、さらに小さなイメージセンサを実装する精密加工技術と、これらを制御し高画質画像を構成する技術が必要になる。
開発品の主な特徴
1.世界初!“イメージセンサ先端搭載血管内視鏡カテーテル”
大阪大学の臨床現場から生まれたアイデアと同国際医工情報センターの医療機器開発のノウハウ、そして、パナソニックが保有する精密加工技術を組み合わせることで、イメージセンサをカテーテル先端に搭載した次世代血管内視鏡カテーテルを実用化した。
2.フルカラーで血管内の前方視を実現
開発品はフルカラーで対角90°と広視野角で血管内の前方視が可能。これにより、血管内治療時に、前方をリアルタイムに観察しながらガイドワイヤなどの操作を行うことが可能になった。完全閉塞病変などの治療難度が高い症例において、大きな役割を果たすと考えられる。
3.直径1.8㎜で約48万画素相当の高画質を実現
パナソニックが長年培ってきたカメラの超精密加工技術や超解像技術により、直径1.8mmでありながら48万画素相当という高画質を実現した。これにより、主に末梢血管における動脈硬化や石灰化の様子、血栓、ステント留置後の状態などが詳しく観察できるようになった。血管内治療時に必要な病変の情報を提供するのみならず、新薬や新しいステントなどの評価において、有用な情報を提供できる可能性がある。
(詳細は、www.osaka-u.ac.jp)