December, 5, 2017, Washington--解能を著しく改善する光音響イメージングアプローチが報告されている。これは組織深部の詳細な体内イメージングに発展する。この技術はコンピュータによる改善に基づいており、したがって既存のハードウエアで実行可能である。研究や診断のためのバイオメディカルイメージング改善の実用的でローコストオプションとなる。
さらに改善した後、同アプローチは生きた組織で起こるプロセス、小血管の成長などの詳細を観察することができるようになる。また、通常の発展、つまりガンなどの病気のプロセスを見ることができる。
ヘブライ大学(Hebrew University of Jerusalem)の研究者、Ori Katzは、「われわれの主目的は、微小血管や毛細血管を見ることができる顕微鏡の開発である。例えば、腫瘍のそばで、これらが成長するのを見ることは重要である」と話している。
論文では、研究チームは、音波回折限界、光音響イメージングで得られる分解能を制限している障害を、赤血球の自然の動きから来る信号の変動を利用することで克服すると説明している。そのような変動は、さもなければ、ノイズ、つまり計測にとって有害であるとみなされる。
光音響イメージングは、光照射と超音波を組み合わせて生体サンプルを撮像するが、これはそれらのいずれかだけではできない。光学的方法は、優れた解像度を可能にするが、光は組織内での散乱が激しいので、表面付近でしか解像度は得られないことが多い。超音波は、はるかに深く入るが、光イメージングと同じコントラストを提供しない。この二つの方法を統合することで研究チームは、それぞれの欠点を克服して、多数のアプリケーションを前進させることができた。
しかし、そのイメージング技術には、ある制約がある。光音響イメージングは音波検出に依存するので、画像の解像度は音響波によって決まる。例えば、光学顕微鏡は1 µm以下のスケールで対象物を見ることができるが、光音響イメージングは、数10µmが限界。つまり、光音響学では、微小血管や毛細血管などの小さなものは解像できなということである。
Katzは、グルノーブルアルプス大学(Université Grenoble Alpes)のEmmanuel Bossyと協働して、この音響学的回折限界を抑制する方法を考案した。研究の中心には、先進的統計解析フレームワークがある。研究チームは、血管を流れる赤血球細胞の画像にこれを適用した。赤血球は、特定の波長で光を吸収することによりイメージングを容易にする。コンピュータ計算で解像度を向上させることにより、追加のハードウエアを不要にした。つまり既存の光音響イメージングシステムを使うことで、説明通りの進歩が得られる。
光音響イメージングで超解像度を達成するために必要なツールとは、スーパーレゾルーション光変動イメージング(SOFI)による光学顕微鏡研究で、これは約10年前に報告されていた。研究チームは、音響学的回折限界の問題に取り組んだのち、SOFIで用いられた同じ数学が光音響学イメージングに使えることを発見した。
SOFIからヒントを得た光音響学イメージング技術を使い音響回折限界の克服には、2つの限界があった。まず、光音響学的イメージングシステムの標準部分ではなく、ロングコヒレントレーザを使わなければならないこと。これは信号変動を作るスペクルと言われる動的構造化干渉縞を形成するためである。2つ目に、サイズが小さいので、動的照明としてのスペクルの利用は、平均的音響学的信号に関して振幅の低い変動になり、問題の試料の解析が困難になった。
研究チームは、赤血球の流れで生ずるインコヒレント信号変動に統計的解析フレームワークを適用することでこうした限界を克服することができた。したがって、コヒレント構造化照明が不要になり、さらに実験的に、従来のイメージングシステムで超解像度光音響イメージング達成を実証した。
デモンストレーションは、この新技術の概念実証として役立った。研究チームは、さらに開発を進め、体内応用での潜在力の実現に注力している。