November, 17, 2017, Shanghai--上海マイクロシステム&情報技術研究所と中国科学アカデミーの研究チームは、検出効率が最高記録の超伝導ナノワイヤシングルフォトンディテクタ(SNSPD)の製造と動作実証を行った。
そのフォトディテクタは、多結晶NbNでできており、2.1Kで1550nmフォトンシステムの検出効率は、90.2%である。実験では、同システムの検出効率は、温度が1.8Kに下がった時に92.1%で飽和した。研究チームは、そのような成果は、量子情報や他のハイエンドアプリケーション向けのSNSPDの実用的アプリケーションに道を開くとみている。
SNSPDデバイスには、研究チームは、集積分布ブラッグリフレクタ(DBR)キャビティを利用した。これは、NbNナノワイヤの蛇行形状を系統的に最適化しながら、界面でほぼ一貫した反射となる。このアプローチにより研究者は、結合、吸収、内的量子効率の厳しい要件を同時に達成できた。
デバイスのタイミングジッタは79ピコ秒(ps)、以前に報告されたWSi-SNSPDのほぼ半分であり、高いタイミング精度を必要とするアプリケーションで付加的な優位性となる。
研究チームによると、1550nm波長の入力フォトンで、最高のシステム検出効率記録は93%であり、これはアモルファスタングステンシリサイド(WSi)製の超伝導ナノワイヤシングルフォトンディテクタで達成された。そのようなディテクタは、通常、サブK温度で動作し、高価な冷凍装置を必要とする。
NbNベースのSNSPDs開発には並々ならぬ努力が払われ、動作温度の目標を2K以上としていた。この温度はコンパクトな使いやすい冷凍機で利用できる。90%を超える検出効率達成は、多くの多様な要素の同時最適化を必要とした。ほぼ完璧な光結合、吸収および一貫した内的量子効率。
デバイスは、中国科学技術大学で量子情報先端実験に用いられた。
ほぼ一貫した検出効率、経済的で使いやすいコンパクトな冷凍機で動作するSNSPDは研究者にとっては、強力な、使いやすいツールとなる。研究チームは、光量子コンピューテーションとシミュレーション、量子鍵配信で、さらなるブレイクスルーが、そのデバイスを使うことで実現できると考えている。研究チームは、同技術の商用化のためにShanghai Photon Technology Co. Ltd.を設立した。