November, 14, 2017, Wright-Patterson Air Force Base--米国空軍研究所(AFRL) Materials & Manufacturing Directorate研究チームは、アディティブマニュファクチャリング(AM)プロセスで使用される材料の性質についての理解向上のため、他に見られない独自の機会を利用した。
AMプロセスでは、堆積、つまり「プリンティング」、材料の薄い層が重なり合い一つのパターンを続けてゆっくりと構築し、最終的に完全な固体を形成する。AFRL研究チームは、この技術を様々な目的で使用することに関心を示している。これには、現場での重要でない置き換え部品を迅速かつ安価に製造することを含まれる。
しかし、その技術は実用的な戦闘機用途としてはまだ成熟していない。相互に重ねる際に、プリントされた層がその形状を維持する方法に複雑な要因がある。材料の多孔性や、弱い融合など他の要素が層間の結合不良となり、積層造形されたコンポーネントの構造全体を弱める。
強化フィラーに加えて、この問題に対処するために、研究チームは、フローおよびセッティング(流体学)重合調整剤として働くように複合媒質にナノフィラーを添加し、構造的結合全体に役立てる。わかりやすく言うと、結果的な反応は、歯磨きペーストの反応に匹敵する。圧力をかけると簡単に流れるが、なにもしなければ滴り流れ出すことはない。カーボンファイバのような強化フィラーに添加すると、ナノフィラーの正確な量が、プリントされたパーツの機械的特性を大幅に改善する。したがって、複合材料やナノフィラーの多様な混合の材料特性や力学を理解することは、AM技術を一般利用でもっと実用的にする上で重要なステップである。
AFRLの研究者は、こうした材料の反応を初めて見る機会を利用した。Polymer Matrix Composite Materials and ProcessingチームのDr. Hilmar Koernerは、ブルックヘイブン国立研究所の国立サイクロトロン光源のビームライン研究者と協働する機会を得た。これにより研究チームは、リアルタイム実験を行い、固有のデータを収集することができる。
「われわれは、XPCS [X-ray Photon Correlation Spectroscopy]ビームラインでビームタイムを得ており、これによってプロセス中に、材料の動力学と構造をミリ秒時間分解能で同時に見ることができる」とDr. Hilmar Koennerは話している。同氏によると、チームはビームタイムを利用して超高輝度X線を堆積された材料のロードとレイヤに通し、ナノフィラーのアライメントと動力学についてリアルタイム情報を収集することができた。
Dr. Koenerの説明によると、複合インクが3Dプリンティングノズルに存在するとき、それは薄められた流動しやすい液体から、わずか数秒でジェルに変化する。ナノフィラー粒子は、その方向性を無作為にするので、ナノフィラー粒子はネットワークを形成し、それが複合インクに自己支持特性(歯磨きペースト同様)を付与する。XPCS実験により研究チームは、この高速プロセスを詳細に理解できたので、複合インクとプリンティングプロセスの両方を全体として性能改善に向けて最適化するのに役立つ情報が得られた。
(詳細は、www.wpafb.af.mil)