September, 27, 2017, Singapore--IDCが発表した「アジア/パシフィック(日本を除く)3Dプリンター予測2017-2021」によると、APeJの3Dプリンター出荷は、2016年に前年比約106%成長だった。この地域の成長を牽引しているのは中国で、2016年の出荷は122%成長。APEJ地域の3Dプリンター出荷全般は、2021年までCAGR 20%超の成長が予測されている。
APeJでは、熱溶解積層法/融解フィラメント製造(FDM/FFF)が、まだ人気がある技術選択である。2016年、FDM/FFFは、この地域での採用率は最高の96.2%シェアだった。とは言え、IDCは、エントリー価格が下がったことから、ステレオリソグラフィ(SLA) 3Dプリンティング技術が勢いを増すと見ている。それは別にして、金属3Dプリンティングもこの地域全体で注目が高まっており、企業は金属3Dプリンティングがどのようにサプライチェーンに収まるかを探究している。
市場アナリスト、Mun Chun Limは、「SLA特許の終了により、市場に新製品が流れ込む。従来のFDM/FFFベンダは製品ポートフォリオをSLAに多様化すると見られている。金属3Dプリンティングは注視すべきものである。先端的製造や産業変革を促進している国々では、積極的にそれを採用すると考えられる」とコメントしている。
教育分野が引き続き、3Dプリンティング技術を最も多く採用しており、APEJ地域では約68%を占める。一方歯科業界は、採用率は前年比で82%増となった。SLAの価格低下が、歯科業界での採用に寄与している。併せて、昨年は工具業界での採用数が増えている。工具業界は、射出成型や冶具&フィクスチャ向けの共形冷却チャネルの開発に3Dプリンティングを使用する。
「歯科業界は、デジタル革命を経験している、デジタル歯科が従来の工程を凌駕し始めたからである。当社の見方では、歯科業界はデジタル時代に移行する。工具業界では、自動車やコンシューマ機器の需要増が、急速な工具開発要求を押し上げている。3Dプリンティングは、そうした需要に対処する産業にとっては実行可能なソリューションである」とLimは指摘している。
APeJでは、3Dプリンティングアプリケーションは、現在、よく知られたプロトタイピング目的から製造補助、エンドユースパーツの製造に移行しつつある。歯科業界は、手術関連ガイドで3Dプリンティングを利用するようになり、これは2016年に112%成長だった。さらに、電気やエレクトロニクス産業は、製造工程高速化に役立てるために、3Dプリント製造補助の利用を探究している。医療、歯科、航空宇宙、防衛が、最終利用部品アプリケーションの製造に3Dプリンティングを使う主要な産業。個別化インプラントやカスタマイズ航空機能コンポーネントは、この地域に見られる利用例の一部。エンドユースパーツアプリケーションは、2016年の市場で19%増だった。