August, 29, 2017, Saint Petersburg--ITMO大学の研究チームは、ナノ粒子インクをベースにした発光構造プリンティングに新アプローチを発表した。インクの独自の光学特性は、ユウロピウム添加ジルコニアによって達成。この材料の粒子は、高い保護パフォーマンスの光るホログラフィックコーティング作製に役立つことが証明されている。特に、開発されたアプローチにより、単純なインクジェットプリンターを使って特注ホログラムの製造ができる。研究成果は、RSC Nanoscaleに発表済み。
機能性ナノ粒子を用いるインクジェットプリンティングという考えは、近年勢いを増している。多くの利点、毒性の欠如、高屈折率、高量子収量により、発光粒子は、フォトニクス、セラノスティクス、生体イメージングの分野でアプリケーションが増えており、バイオセンサの製造、ガン細胞の可視化やセキュリティプリンティングで使用されている。しかし実験室のソリューションを大規模に実施するには多くの段階が必要である。ホログラムの長期保存中に適切な機能と安定性を保証しなければならない。
ITMO大学の研究チームが開発した新しいインクは、こうした問題に正確に対処する特性を備えている。一連の実験で材料は、発光保護ホログラムモノレイヤ、高い安定性と耐久性をもつ偽造防止物のプリンティングに使われた。
「ユウロピウムドープ二酸化チタンは、世界中で何10年も前から研究され使用されてきた材料である。しかし、われわれの研究が新しいのは、レインボウホログラム表面の保護にその材料を使用する点である。この目的のために、その材料で、ある特性を達成しなければならなかった。特に、インクに含まれるナノ粒子のサイズを同じにしなければならない。材料の粘性を決めるレオロジー(流体力学的)パラメータによって、厳しい要件も課せられている。さもなけれは、インクはインクジェットプリンティングに適さないことになる。われわれの目標は、当初試験管で合成された材料を安定したコロイドに変え、どんな表面にもプリントでき、適用できるようにすることであった。われわれの研究は、そのような機能性インクを実現する正確なプロセスを記述している」とITMO大学の生物化学クラスタ研究長、Alexandr Vinogradovはコメントしている。