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産総研、「光コム」で気体の温度を測定

August, 25, 2017, つくば--産業技術総合研究所(産総研)物理計測標準研究部門周波数計測研究グループ 清水祐公子主任研究員、稲場肇 研究グループ長は、「光コム」と呼ばれる超短光パルスレーザを2台用いて気体の温度を測定する新たな技術を開発した。
 光コムとは、スペクトルが等しい周波数間隔で櫛(コム:Comb)状に並んだ超短光パルスレーザで、周波数間隔の正確さから、超高精度な周波数計測や長さ(波長)計測に利用されている。一方、気体分子は、分子種に固有の周波数の光を吸収し、その吸収量は気体分子の温度と相関がある。今回、2台の光コムを用いるデュアルコム分光技術を活用し、気体分子の吸収スペクトルを測定して、気体の温度を測定する新たな技術を開発した。
 この技術で、アセチレンガスの光吸収スペクトルを、1.5µm を中心とした波長帯域で測定・解析した結果、±1℃以内の精度で温度を測定可能であることがわかった。この技術は、複数の分子種が混在する気体(混合気体)にも適用でき、例えば、燃焼中のガスの分子種ごとの温度変化を観測するなど、既存技術では困難な温度計測ができる技術としての応用が期待される。
(詳細は、www.aist.go.jp)