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ブリストル大学、3Dプリント音響浮揚技術を開発

August, 23, 2017, Bristol--空中浮遊技術はもはや実験室だけのものではない。ブリストル大学(University of Bristol)のエンジニアが、3Dプリント音響浮揚装置を開発し、簡単に空中にモノを浮揚させる方法を実現したことによる。この新技術は、Review of Scientific Instrumentsに発表されており、血液テストを含む幅広いアプリケーションに適用可能である。
 音響浮揚は、強力な音響波を使ってあらゆる方向から粒子を押して空中にトラップする。超音波を使うことで人体に害を及ぼすことのない強力な振動を利用することができる。
 磁気浮上は、磁場を使って物体を空中に浮揚させる。音響浮揚は磁気浮上ほど強くないが、液体から生きた動物まで、広い範囲の材料に作用する。
 ブリストル大学のチームは、パーキングセンサ、モータードライバ、Arduino(マイクロコントローラボード)、3Dプリント部品を使い、家庭や学校で独自の浮揚器を組み立てたい人向けに取説パックを作成した。その取扱い説明により、どんな研究者でも浮揚器を組み立て、音響浮揚で実験を行うことができる。この浮揚器は安全に使用でき、温度や湿気の変化に対してロバストであり、長期にわたり動作可能であるので、以前にはできなかった実験ができるようになる。
 同大学機械工学部、Dr Asier Marzoは、「空中にサンプルを浮揚させることで、血液サンプルの診断、分子構造の検出が改善できる。通常、顕微鏡スライド上のサンプルは、X線、レーザあるいは他のタイプの照射を受けるので反射光を分析することができる。しかし、顕微鏡スライドがどんなに透明でも、反射光は常に検査を妨げる。それに対して、サンプルが浮揚していると、全ての反射はサンプルからとなる」と説明している。
 「音響浮揚は、薬学、生物学、生体材料での数100のアプリケーション研究で開発され、革新的、画期的なプロセスをサポートする可能性がある。しかし、歴史的な浮揚器は少数の研究室に限られていた。特注、慎重な調整、高圧が必要だったからだ。今回、研究者にとどまらず、学生も家庭や学校で独自の浮揚器を作製して、音響浮揚の新しいアプリケーションを実験することが可能になった」。
(詳細は、www.bristol.ac.uk)