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ナノフォトニクスと熱電を使って光波長の違いを検出

August, 22, 2017, Pasadena--Caltechのエンジニアは、2つの別の技術を統合した初の光ディテクタを開発した。1つは、ナノスケールで光を操作するナノフォトニクス、もう1つは温度差を直接電子ボルトに変換するサーモエレクトリクス(熱電)、これらを統合して高分解能で、可視と赤外を含む光波長の違いを区別する。
 新しいディテクタは、現在の同等レベルの熱電デバイスと比べて10~100倍高速であり、従来の光ディテクタよりも広い範囲の電磁スペクトルで光を検出できる。従来の光ディテクタでは、光の入力フォトンは半導体に吸収され、ディテクタが捉えた電子を励起する。このような光で励起された電子の動きは、電流、つまり信号を生成し、それは計測して定量化できる。効果的ではあるが、このタイプのシステムでは赤外光を「見る」ことは難しい。赤外光は可視光のフォトンよりも低エネルギーでできているからである。
 新しいディテクタは、従来のソーラ材料では効率的に収集できない太陽光や熱の赤外波長捉える潜在能力があるので、より優れた太陽電池やイメージングデバイスになり得る技術である。
「ナノフォトニクスでは、光波長よりもはるかに小さな構造と光とが相互作用する方法をわれわれは研究しており、これは極めて強い光閉じ込めになる。この研究では、この属性とサーモエレクトリックのパワー変換特性を組み合わせて新しいタイプのオプトエレクトロニックデバイスを実現した」と論文の著者、Harry Atwaterは説明している。
 Atwaterのチームは、可視光波長よりも小さな数100ナノメートル(nm)幅のナノ構造をもつデバイスを作製した。
 研究チームは、吸収波長が違う、様々な幅のナノ構造を作製した。これらのナノ構造が光を吸収するとき、吸収した光波長に対応する強さの電流が生成される。
 ディテクタは、CaltechのKavli Nanoscience Instituteのクリーンルームで作製された。チームは、蒸着と電子ビームリソグラフィを組み合わせて使い、サブ波長構造を作製。同構造は、特定波長のフォトンを吸収するとき共鳴し信号を生成するが、その構造はよく知られた熱電特性を持つ合金から造られている。しかし、研究者によると、その研究は幅広い材料に適用可能である。
「この研究は、2つの研究分野、あまり相互作用しない、ナノフォトニクスと熱電をつなぐものであり、協調への道を作り出す。これら2つの分野の接合には、多くの未開拓の、すばらしいアプリケーションと研究のチャンスがある」と院生、論文の筆頭著者、Kelly Mauserは指摘している。