August, 15, 2017, Liverpool--リバプールジョンムーア大学(LJMU)、マンチェスター大学、オーフス大学、ニューキャスル大学の研究チームは、心伝導系、心臓を鼓動させる特別な細胞を前例なく詳細に示す3Dデータを生成する方法を開発した。研究成果は、Scientific Reportsに掲載された。
この研究の新しいデータは、心拍のコンピュータモデルにこれまで利用できたものよりもはるかに正確なフレームワークを提供するものである。また、心房細動のようなやっかいな心臓のリズムを理解する能力を改善することになる。データは、心伝導系が正常な心臓のどこにあるかを正確に明らかにする。たとえば、それが大動脈弁にいかに近いところでで動いているかを示す。
LJMU運動科学、Jonathan Jarvis教授は、「心伝導系と心臓の残りとの複雑な関係の理解が3Dデータによって著しく容易になる。われわれは、そのデータを使って3Dプリントしたモデルを造る。3Dプリントモデルは、心臓医師、他の研究者、心臓に問題を抱える患者との議論に実際に有用である」と話している。
「大動脈弁を治療したり置き換えたりする新たな戦略では、そうした戦略がこの貴重な組織に損傷を与えないこと、圧迫しないことを確認しなければならない。今後の研究では、適切に形成されなかった心臓で心伝導系がどこで機能しているか知ることができるようになる。これは、心伝導系損傷リスクが最小になる手術を考え、そのような心臓を治療する外科医にとって役立つ」。
20年前から心伝導系の生体構造に取り組んでいるマンチェスタ大学心臓血管部門のDr Halina Dobrzynskiは、「これは始まりに過ぎない」と言う。「英国心臓支援基金は、高齢者や不全心臓からの3Dで心伝導系を可視化するわれわれのグループを支援している」と話している。