August, 14, 2017, 東京--アイディーアーツ(id.arts)は、独自に展開する3Dソリューションの一環として、3Dプリント技術を利用した高精細な3Dプリント製キッチンシミュレーション模型を開発した。
id.artsが開発する3Dプリントキッチン模型は、SLS、SLA、FDM、インクジェットなど、複数の3Dプリント方式から生成された部品を利用しており、水栓金具、天板、シンク、扉材、カウンター、調理器具など、全てのパーツを簡単に交換し、キッチンを中心とした空間全体をシミュレートすることができるツールとなっている。
簡単に着脱できる水栓金具は、SLA方式の3Dプリンター「Formlabs Form 2(グレイ樹脂)」で3Dプリントしたあと、メッキ処理を施し、よりリアルな質感を演出。
この模型に含まれる全ての3Dプリントパーツの他、床材、壁面などが簡単に着脱・交換することができるため、顧客対応が必要なショールームにおけるコーディネートや、空間シミュレーション(動線設計)はもちろん、キッチンメーカーや建材メーカーの新商品開発時にも活用することができる精度と機能性を有している。
部材に適した3Dプリント技術
一般的に、天板、扉材、カウンターのような大きな面積を有する板状の部品を3Dプリンターで制作した場合、材料の収縮などにより大きく反ってしまうことがあるが、id.artsでは独自のノウハウにより反りやゆがみなどを極力軽減。
天板やカウンターなどの長物はSLS方式で3Dプリントしているが、長さ30cmを超える大きさでも、反りやゆがみが殆どなくキレイに造形されており、簡単に着脱可能。
高精細家具を利用した空間シミュレーション
また、1/10スケールで制作したこの3Dプリント製キッチンシミュレーション模型には、同スケールで製作した高精細な3Dプリント家具模型や床材(2D印刷)などがセットになっており、キッチンのデザインに合わせ、空間全体をコーディネートしたり、動線をシミュレートすることができる。
ファブリックのシワも再現された高精細な3Dプリント家具模型は、座面部と脚部を分割することで、椅子単体でもカラーコーディネートなどが可能となっている。
id.artsでは、高精細な3Dプリント模型やマテリアルツールを利用したアナログ的な空間シミュレーションだけでなく、「3Dソリューション」として、3DCGビジュアライゼーションやVR/ARにもデータを活用する仕組みを構築している。
3Dデータの活用
長年に渡り、3Dデータを有効的な資産として活用するための技術を研究しているid.artsは、日本の大手ハウスメーカーや大手建材メーカーのコンテンツ開発を多数手掛けており、今回紹介する3Dプリントキッチン模型もその一部となっている。
一般的に、3DCGビジュアライゼーション用に制作した3Dデータをそのまま3Dプリント用データとして活用することは難しいが、id.artsでは初期段階から一つの3Dデータを以下の用途へ流用できるよう工夫を凝らし、ノウハフを蓄積している。
・フォトリアルスティックな建築ビジュアライゼーション
・VR/ARシミュレーター(Unreal Engine、Unity)
・3Dプリント模型
このように、3Dデータをさまざまな用途へ流用することで、データを有効な資産として活かすことができるようになる。
また、昨今ブームとなっているVR/ARに関して、id.artsでは15年以上前から独自に開発したVRエンジンベースのリアルタイム3Dシミュレーターなどを開発し、複数の大手建築メーカーや大手製品メーカーなどへの導入実績があり、この分野に特化した新しい仕組み作りにも取り込んでいる。
3Dプリント技術で製造した商品展開
id.artsは現在、複数のキッチンメーカーや建築設計事務所とコラボし、建築模型を含めた新しい3Dソリューションを展開している。
その他の展開としてid.artsでは、数年前から3Dプリント技術で製作したインテリア小物や装飾品、建具部品などの実用品を開発し、メーカーへ提供しており、今後この分野の拡張を予定いる。
(詳細は、idarts.co.jp)