July, 21, 2017, Wright-Patterson--米国空軍研究所(AFRL)の研究チームは、積層造形(AM)技術に刺激されて、太陽電池をもっとコスト効果よく製造する新しい方法を研究しており、プロセスの応用力も増すものと考えられている。
基本的に、太陽電池の製造には、高純度の単結晶シリコンが必要になる。高純度シリコンは、石英、砂などの原材料から抽出し、薄いウエハにする。シリコンウエハはプラスとマイナス極の電界を形成するように化学処理される。これらのシリコン半導体、つまり太陽電池は、太陽光電池モジュールとなるように支持物にエンカプセルされる。太陽電池は、太陽光を集めて電流に変換する。
このマルチステップ、労働集約的プロセスは時間がかかり、高度な装置を使うので、最終製品を造るまでには多くの技術者やエンジニアを必要とする。品質制御が重要であり、製造プロセスのどの段階の食い違いでも電池の性能に影響を与える。
このような製造の高コストが、潜在的にはコスト節約であるとはいえ、太陽光発電の普及を妨げている。
研究チームは、新聞印刷の巻紙にプリントするコンセプトに刺激されて、太陽をエネルギーに変換することができる材料、プリントできる材料の探求で無機のハードシリコンの代替を探した。
Dr. Santanu Bagによると、無機-有機ハイブリッド材料なら印刷が容易であり、太陽エネルギーを収集できるとの判断に達した。
選択した材料、薄膜ペロブスカイトは、光吸収能力とパワー変換効率が優れている。
Bagの研究では、ペロブスカイト先駆材料は超音波を使って粉末化し、非常に微細なエアロゾル液滴になる。これはアエロゾルジェットスプレイプリンターのプリントノズルに送り込める。コンピュータ支援設計ツールパスを使い、ダイレクトライトプリンターを利用して表面をコーティングし、平坦面で効率15.4%の太陽電池を作製した。
研究チームは、これらの太陽電池を5.4%の効率で3D面に印刷できることも実証した。印刷された太陽電池では、これは初めてである。
「われわれは、これらの3Dプリンティングを最適化していないが、それが可能であることはわかっている。プリントの仕方がわかると、他のアプリケーションでも大きな潜在性がある」とBagは話している。