July, 18, 2017, Dübendorf--ジェスチャで物を動かすという夢が、スイス連邦材料科学技術研究所(Empa)の技術で間もなく実現する。腕のバンドに組み込まれたピエゾ抵抗ファイバ製のセンサが動きを計測し、それを電気信号に変換する。これを使って遠隔制御なしでドローンや他の電子デバイスを操作することができる。
ハイパフォーマンスセラミクス研究所のFrank Clemens研究チームがピエゾ抵抗ファイバでできたセンサを考案し、それをリストバンドに組み込んだ。リストバンドには手の動きが登録されている。ピエゾ抵抗ファイバは電気伝導性であり、形の変化を認識し、それを電気信号に変換する。これを端末装置が読み取り、それに応じて解釈する。つまり、ロボットを、例えば指先だけで動かすことができる。
モーションセンサは今では新しくないが、これまでは(カメラなど)視覚センサ、加速度計、ジャイロスコープ(回転動作)などを使って主に記録されていた。しかし動きを登録するこのような方法は、特定の速度範囲内で大きくはっきりとした動きを必要とするが、これは人には不自然である。新しいEmpaセンサは、それに対して、自然な「即座」の動きの最小値に反応する。Clemensは、これまでの技術を放棄するつもりまはい。「新たなコンセプトの開発には多様なセンサの組合せが必要である。そうして初めて、これまでの技術では検出できなかった動きを捉え、使うことができる」。加速度、回転、方向センサを新しいファイバセンサと組み合わせることで、ドローンでもガレージドアでも、技術的なデバイスをコントロールする新たな「コマンド」が完全に容易になる。
テスト目的で研究チームは、従来の腕時計バンドにそのセンサを組み込んだ。最初のプロトタイプで研究チームは、ピエゾ抵抗ファイバをファブリックに取り付けることに成功したが、望ましいスケールでセンサを使うには適切ではなかった。「積層造形の助けを借りと、非繊維材料にセンサ構造を組み込むことに何とか成功した」とClemensは説明している。センサは、最終的に既存の腕時計バンドで使えるようになる。
(詳細は、www.empa.ch)