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MIT、Kinectスキャナを使ってティラノザウルスレクスの3Dモデル作製

July, 11, 2017, Cambridge--昨年、法歯科医チームが、シカゴのフィールド自然史博物館のティラノザウルスレクス頭蓋の3Dスキャンの許可を与えられた。目的は、顎骨の奇妙な穴を説明することである。
 高解像度歯科スキャナはティラノザウルスほどの大きな顎に対処できないことが分かり、チームはMITのMedia LabのCamera Cultureグループと接触した。同グループは、高解像度3Dスキャンができるプロトタイプシステムを開発している。
 とは言え、プロトタイプはそのように大きな作業には対処できないので、研究グループは、150ドルのハードウエアとフリーソフトウエアで、5フィート長T. rex頭蓋全体を3Dスキャンするシステムを即製した。研究チーム(歯科医、人類学者、獣医、古生物学者)は、それを使って穴の解析を行っている。
 システムは、Microsoft kinect、ビデオゲーミング用に設計された奥行き感知カメラを使用する。kinect組込みのソフトウエアは、「点群」、情景の点の3Dマップを作成する。その情景から赤外光の短いバーストがセンサに反射される。フリーソフトウエアMeshLabが点群を解析し、生成した表面の形状を推定する。
 ハイエンド商用3Dスキャナは、数万ドルであり、奥行き検知は50~100µm。kinectの解像度は500µm程度に過ぎないが、価格は100ドル程度。500µmは、T. rex頭蓋のの顎の不思議な穴の問題を十分に明らかにすることができる。
 フィールド博物館のT. rex骨格は1990年に発見され、Sueとして知られている。これは、これまで見つかった中で最大にして最も完全なものである。数年来、顎の穴が歯の跡、他のティラノザウルスの攻撃によるものとの考えが広まっていた。穴の外周に成長したリッジは、Sueがあらゆる問題を生き抜いたことを示している。
 しかし、穴の間隔は不規則であり、それは噛みついたパタンと一致しない。2009年、ウィスコンシン大学の古生物学者が、穴は原虫感染によるものではないかと提案した。つまり感染した獲物を食べたために、顎を内部から浸食したという提案だ。
 MITのチームの3Dスキャンは、これら両方の仮定についての疑いを明らかにする。穴が開いた角度は、一度噛みつかれて生じたものとは一致しない。しかし外から内にテーパー状になっている穴は、口の感染という仮定も弱まることを示している。
 3Dスキャンの大きな利点の1つは、遠隔シェアできることである。フィールド博物館は、研究者がSueの頭蓋に費やす時間を制限しているので、ウィスコンシンの古生物学者の分析は、主として写真に基づいていた。しかし写真では、内側と外側表面の穴の直径の比較ができない。
 スキャンで仕事をしている研究者が詳細に特定の特徴を調べる必要があるなら、3Dプリンタを使って複製を作ることができる。この可能性を実証するために研究チームは、Sueの頭蓋を使って、実寸の1/18のモデルをいくつか作製した。
(詳細は、www.mit.edu)