June, 2, 2017, Washington--MITの研究チームが開発した方法の新たな進化により、高放射能環境に晒されている物質を連続的、高精度にモニタリングできる。この方法では、材料は極めて長くその場にとどまり続けることができ、予防交換の必要がなくなる。また、こうした過酷環境向けの新たな、改善された材料の探求もスピードアップが可能である。
Applied Physics Lettersに発表された研究成果は、研究チームの以前の研究、核物質のための過渡的回折格子分光法(TGS)に立脚しており、これはその方法のベンチマークとなっている。新しい研究によると、その技術は初期の計算と試験が示唆していた高感度、時間分解で行われ、微小な不完全性を検出できる。
研究チームによると、「完全目標は、放射線を受けている時に物質がどのように進化するかのモニタであるが、それを稼動中に行うことであった」(Michael Short准教授)。サンプルをその環境から取り出して外部の機器でテストすることなく行う。そのようなプロセスは時間の浪費になり、高価になる。また損傷が時間経過とともにどのように起こるかについて情報が得られない、同氏は説明している。
新しい試験アプローチは、例えば、温度急上昇、振動に対する材料の反応に影響する熱的、機械的特性の変化を明らかにすることができる。「われわれが取り組んでいるのは、放射能環境下で機能するリアルタイム診断システムである」。
研究チームによると、初期の研究成果は、放射線誘起の変化を検出できる技術であった。新しい成果は、それにある程度の改善を施し、リアルタイム動的条件で高速に計測し、実用的なモニタリングシステムに必要な詳細情報を提供できるようになっている。
その方法は、モニタリングデバイスとモニタされる金属表面との間にどんな物理的接触も必要なく機能する。代わりに、その方法は、純粋に光学プローブに依存する。表面で振動を刺激するために一方のレーザビームを使い、他方はビームの干渉縞を利用することでその振動の特性をプローブする、これによって表面特性の詳細だけでなく、バルク材料の詳細も明らかになる。
その技術には、他の材料をモニタリングする広範なアプリケーションも考えられる。例えば、新しい種類の磁気データ記録用に開発されている相転移物質の挙動のモニタにも使える。
放射線による材料の変化を研究する既存の方法と比較して、この技術は一回の実験で、約1%の時間で、1つのサンプルからのより多くのデータを提供することができる。
(詳細は、www.mit.edu)