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電界で光を制御する新しい方法を発見

May, 29, 2017, Lincoln--ノースカロライナ州立大学(NC State University)の研究チームは、電界で光を制御する技術を発見した。
 NC State材料科学・工学准教授、Linyhou Caoによると、この方法はコンピュータに計算能力を与えるために使う技術と同じものである。「コンピュータでは、電界は電流のON/OFFに使用し、それがバイナリ―コードの基本である論理的1と0に相当する。この新発見では電界により、光の強弱、拡散と集束、方向をコントロールすることができる。この新技術は、光を任意のパタンに変えられる可能性がある。これによってゴーグルフリーの仮想現実(VR)レンズやプロジェクタ、アニメーション映像業界、カモフラージュにアプリケーションが考えられる」。
 電界で光を制御することは難しい。フォトンはニュートラルであり、電荷がないので、通常は電界に反応しない。その代り、光は材料の屈折率を変えることによって制御可能である。屈折率は、材料が光を反射、透過、散乱、吸収する方法である。材料の屈折率制御が強ければ強いほど、その材料と相互作用する光に対する制御も強くなる。
 研究チームは、ある半導体材料で可視光の屈折率を60%まで変えることができる技術を開発した。遷移金属ジカルコゲナイド単分子層という原子的な薄さの半導体材料、特に、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化セレンの薄膜に取り組んだ。
「コンピュータチップでトランジスタに電荷を供給するのと同じように、2D半導体材料に電荷を付与することで屈折率を変えた。この技術を利用して、可視光の赤色範囲の屈折率を大きく変えることに成功した」とCaoは説明している。 
 現在、研究チームは、その新技術により60%まで屈折率をを調整できる。材料に印加される電圧が大きいほど、屈折率の変化は大きい。現行のコンピュータ用トランジスタ技術と同じ技術を使っているので、これらの変化は動的であり、一秒に数十億回が達成可能である。
 また、論文の筆頭著者、Yiling Yuによると、この技術は光の振幅と位相をピクセルごとに制御する能力もある、これは現在のコンピュータと同程度に高速である。
 研究チームは、可視光の他の波長でもこれが有効であるかどうかを調べる計画である。