May, 19, 2017, Raleigh--ノースカロライナ州立大学(NC State)の研究チームは、半導体材料上で細胞の挙動を操作する新しいアプローチを開発した。このアプローチでは、光を使って材料そのものの伝導性を変える。
「半導体との関連で細胞挙動をコントロールする能力には大きな関心がある。これはバイオエレクトロニクスの背景にある基本的な考えである」とNC Stateの材料科学・工学教授、Albena Ivanisevicは言う。「われわれの成果は、新しいバイオエレクトロニクスデバイス開発用のツールボックスに1つのツールを効果的に追加した」。
新しいアプローチは、残留光伝導という現象を利用する。残留光伝導を示す材料は、それに光を照射すると伝導性が高まる。光がなくなると、その材料が元の伝導性に戻るまで長い時間がかかる。
伝導性が高まると、材料表面の電荷が増加する。また増加した表面電荷は、細胞を表面に付着させるために使用できる。
「これは、材料表面に対する細胞の付着を制御する唯一の方法である。しかし、これは別のものとの関連、例えば材料表面の粗さの操作、あるいは材料を化学的に改変することとの関連で使用できる」とIvanisevicは言う。
この研究では、研究チームは、3つの特性全てをいっしょに使うことができる、GaN基板とPC12細胞-バイオエレクトロニクス試験で広く使用される一連のモデル細胞。
研究チームは、2つのグループのGaN基板をテストした。GaN基板は同じものであるが、1つのグループはUV光に晒されており、その残留光伝導特性を引き起こしており、第2のグループはUV光に晒されていない。
「2つのグループ間には明確な、量的差異があった、光に晒された材料にはより多くの細胞が付着していた」とIvanisevicは説明している。
「これは概念実証論文である。残留光伝導と材料の粗さに影響を与えるために半導体材料のトポグラフィと厚さの設計法を探究する必要がある。究極的には、細胞の付着性と挙動の制御を改善したい」と同氏は話している。