新製品 詳細

3次元レーザ計測機 『Mercury JX』

March, 23, 2017--レーザを用いた『3次元レーザ計測システム』を製造販売している、株式会社エム・アンド・ジェイが、計測システムとして再開発を行った『Mercury JX1, JX2』の販売を開始した。

『コノプローブ』センサーの改善点は、さまざまな「外乱光」に対して計測結果に変動がない点と、致命傷であった、環境による温度変化やレーザ発信体であるICの時間的経過に依る温度上昇に対する『自己温度補正機能=オートキャリブレーション』が追加された、安定した繰り返し計測性能である。

エム・アンド・ジェイは、センサーの改善された要素を最大に引き出すべく、システムの再開発を行った。
機械系も、ACサーボモータ制御でリニアーエンコーダーを搭載したクローズドループ制御が行われ、精密計測機としての精度が保障された。
保障精度は、±2ミクロン。量産対応の計測機として工場内で使用する場合の、測定機の外周をカバーするスタンドアロン型BOXもオプションとして用意。
新バージョンの『Mercury JX』は、多くの製造メーカーの製品計測テストを行い、計測精度や計測スピード、データ出力等も十分満足できる「反復計測精度」であると評価を得、販売開始に至った。

計測対象材質は、金属(金型やジェットエンジンの翼その他、金属光沢を持つ機械部品等)やその他(木材、粘土、プラスチック、ゴム、布等、鏡面を除くあらゆる物体)の計測が可能で万能性を持っている。ジェットエンジンの「翼」の繰り返し計測では、CMMのデータと比較して±2μの精度が検証された。
計測スピードは、CMMの10倍以上のF=170mmで計測が行われた。

機械本体は、シリーズでJX1、JX2がある。それぞれのストロークは、X軸(300mm、550mm)・Y軸(250mm、500mm)・Z軸(300mm、400mm)で、オプションとしてA軸(±360度/回転軸)がある。また、必要に応じてV軸(センサーを振るための精密回転ステージ=手動)を搭載する事が可能だ。

様々な角度で計測されたデータは、自社開発してきた、3DのCAD/CAM=「MULTI SURF」によって自動編集(内部でスパイクカット、スムージング、フィルタリング等の処理)が行われ、処理されたデータは、IGES、ポリゴン、.TXT等で出力する事ができる。3次元レーザ計測システムでは、計測物によっては数十万から数百万点にも及ぶ『点列群』の処理が必要になり、これらを処理する特殊な機能を有している。オリジナル開発であるために「MULTI SURF」の一部の機能をシステムの中に組み込む事によって、人手によるCAD/CAMのオペレーションを省く事ができるため、量産品の計測後の良品不良品の判断も自動的に行う事が可能。また、次のステップでは、製品の改善にも役立てる事ができる。

一方、図形定義だけでは、再生が困難なプレスの金型、例えば車のターボチャージャーの翼に於いては、プレスによるスプリングバックがある為に設計上の形ではなく、最終性能が確認された形状の金型を作る必要があり、増し型の場合計測してNCデータを作成し、金型のコピーを再生する事が求められる。また、図形定義が困難なアーティクルな物体形状(例えば、手造りの仏像や1品物の芸術作品、自然石(外壁材のデザイン)、木材(彫刻作品)や化石、古代遺跡の出土品(銅鏡)等)の計測や芸術性の高い貴金属宝飾品などの製作にも使用される。これらの形状を多方向から三次元立体形状として計測し、ポリゴンデータ(STLフォーマット)で出力しNCデータを作成することにより、機械加工による形状作成が容易に実現できる。
「Mercury JX」を含む「計測システム」の中で「リバースエンジニアリング」が容易に行うことができる。

《連絡先》
株式会社エム・アンド・ジェイ
TEL:04-2960-2977
E-mail: letu@m-j.jp